フライアッシュ(FA)混合セメントの耐硫酸塩性を、硫酸ナトリウム溶液への最長6年の浸漬による体積変化と、水和物の分析およびSの浸透量で評価した。材齢2年以後の長期材齢ではFAの種類によって、あるいは、SO
3量増加または石灰石微粉末(Lsp)添加によって膨張に違いが認められた。FAの添加はSO
42-の浸透を抑制し、SO
3量増加またはLsp添加は、供試体内部のモノサルフェートを減少させて外部からのSO
42-浸透によるエトリンガイトの生成を抑制した。ガラス中のAl
2O
3量の少ないFAでは、SO
3増加およびLsp添加によっても内部膨張を生じることなく、材齢6年の浸漬でも膨張しない優れた耐硫酸塩性を示した。
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