本稿の目的は,日本の地方自治体の運営の改善のために,地方自治体予算をマネジメント・コントロール・システム化するための課題を明らかにし,地方自治体の幹部職員等へのインタビューなどの結果を踏まえて,その解決の糸口を探索しようとするものである。
探索にあたって,諸外国の地方自治体では予算が議会議決予算と経営予算の2 つに区別されるという点に着目するとともに,経営予算の1 つでもある業績予算に焦点をあて,インタビュー結果を分析した。その結果,業績予算のように予算編成方式として経営予算の考え方を取り入れるのではなく,内部報告会計の観点から議会議決予算を経営予算として作り直して活用すべきではないかということを示唆するものである。
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