沙漠研究
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小特集
  • 石川 祐一
    2024 年 33 巻 4 号 p. 123-125
    発行日: 2024/03/30
    公開日: 2024/03/30
    ジャーナル フリー
  • 矢沢 勇樹
    2024 年 33 巻 4 号 p. 127-139
    発行日: 2024/03/30
    公開日: 2024/03/30
    ジャーナル フリー

    地球の土壌はしばしば「生きた皮膚」と形容され,環境を保護し生命を支える不可欠な役割を果たしている.この比喩は,土壌が動的で相互に関連する性質を強調し,多様な微生物の生息地となり,水の流れを調整し,植物の成長に必要な栄養を提供していることを示す.さらに,土壌は浸食から守る重要なバリアとして機能し,炭素や他の必須元素の貯蔵庫としても機能する.要するに,地球の生きた皮膚は生態系を維持し,地球全体の健康に寄与する微妙なバランスを具現化するのである.

    しかし,土壌の卓越した反応場がその容量を超える過度な耕作や過放牧などの実践によって失われ,これが沙漠化などの現象を助長している.これらの持続不能な活動は土壌の質を低下させ,肥沃性を侵食し,多様な生態系を支える能力を減少させる.沙漠化は乾燥地域の拡大を特徴とし,土壌の重要な反応場の減少を加速させ,環境の課題や肥沃な土地の喪失に寄与する.

    本論では,論者のこれまでの研究結果をもとに,乾燥地において万能な反応場である腐植物質をいかに増産するかのアイデアを論じる.

  • 神田 崚
    2024 年 33 巻 4 号 p. 141-145
    発行日: 2024/03/30
    公開日: 2024/03/30
    ジャーナル フリー

    食糧安全保障の向上に貢献する取組として,下水道からのリン回収が国策として掲げられている.神戸市では,消化汚泥中のリンをMAP(りん酸マグネシウムアンモニウム)として回収しており,市内でのリン資源循環を構築している.リンを回収することによる下水道事業および農業への貢献と,その連携事例を概説する.

  • 大島 義徳
    2024 年 33 巻 4 号 p. 147-152
    発行日: 2024/03/30
    公開日: 2024/03/30
    ジャーナル フリー

    微細藻関連の事業の沙漠での可能性について考察した.微細藻は,太陽をエネルギーとして,CO2と水を主材料として有機物を生産する.その生産速度や面積当たりの生産効率には高い可能性があり,持続可能な社会づくりを目指す上で注目されている.筆者は,建設系の企業に所属しながら,こうした微細藻の持続可能な物質生産のポテンシャルを活かす可能性を探索してきた.その経験をもとに,沙漠で微細藻事業を成立させる条件の抽出を試みた.

    沙漠でも応用可能と考えられる海外での微細藻の生産事業について紹介し,これらの事例で微細藻の大量培養を成立させている条件を考える題材とした.

  • 水野 恒雄
    2024 年 33 巻 4 号 p. 153-158
    発行日: 2024/03/30
    公開日: 2024/03/30
    ジャーナル フリー

    植物による新規発電システムとして開発した技術は,カーボンフリーで環境に優しいエネルギーである.休耕田をキッカケに,大地に電極を差し込んだだけで電気エネルギーを得ることを基本コンセプトとして開発しており,設置も容易である.土壌から電気エネルギーを得る微生物燃料電池と電極の化学反応を利用して高出力を得るマグネシウム空気電池を参考にしている.電極の化学反応を被膜で抑えて電圧のみを利用し,電解質を電気分解して電流を得ている.あらゆる大地からの電気エネルギー取得が可能で沙漠地にも適用可能である.

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