本實験は夏季に於て都市の街路樹・庭樹などにより作られたる樹蔭地の地表温が, 裸地 (アスフアルト舖装)・芝地のそれに比し, 如何なる關係にあるかを数量的に表示せんとしたものであるが其の結果より次の如き断定に導かれる。
(1) 地表温は樹蔭地最も低く, 芝地之に次ぎ, 裸地 (アスフアルト舖装) は最も高温である。
(2) 晴天なる場合は曇天なる場合に比し, 變化急激にして, 樹蔭地・裸地・芝地相互の差大なるを認めた。
(3) 氣温の高低に應じ, 各區の地表温も上下する事を認めた。
(4) 日變化の傾向は各區とも, 午前10時最も低く, 正午に於て最高を示し, 午後3時之に次ぐてとが判明した。
(5) 日變化の傾向は, 裸地最も急激にして, 芝地之に次ぎ, 樹蔭地最も緩温であつた。
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