ディーゼル機関の燃焼室壁部材の熱負荷の軽減を目的として, その燃焼室内燃焼火炎の分布, 挙動と燃焼室壁熱負荷との関連を見いだすべく, シリンダ径/ピストン行程: 170mmφ/280mmの四サイクルディーゼル機関に, 火炎観察用ガラス窓と熱負荷測定用伝熱板をもったうず室式燃焼室を設置して実験的解析を実施し, つぎの結果を得た.すなわち, 燃焼室内うず流れの強さ, うず流れに対する燃料噴射方向, および壁面に対する燃料噴射方向が燃焼火炎の分布, 挙動に与える影響を明らかにし, そして, それらが燃焼性および燃焼室壁熱負荷に及ぼす影響をは握した.そしてまた, 燃料噴射弁噴孔径, 噴射時期, 噴射率, 噴射量 (空気過剰率) , 機関回転数, 圧縮比および冷却条件が燃焼室壁熱負荷に及ぼす影響が明らかになった.そこで, これらの結果から, 燃焼室内火炎挙動の制御によって燃焼室壁熱負荷を軽減しうることを確認し, その一般的方策を得た.
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