本研究は作溝チゼル付き施肥溝切り機を利用したネギの作業技術を確立するため,施肥方法と土壌膨軟化の違いが根と苗の生育初期に与える影響を検討した。
植え溝底の土壌硬度は上層の試験区間に差がなく,作溝チゼル施工区での作溝直後の下層で小さい傾向にあった。側条施肥では作溝チゼル施工部位で根長密度が高くなるが,施肥部位では根長密度が低下した。根長分布割合は作溝チゼル施工部位の上層と下層で全体の68~87 %を占めた。側条施肥は窒素吸収が効率的であるため,ネギの初期生育が全層施肥と同等であった。作溝チゼルは施工部位を中心に下層まで根が伸長して水分を吸収したため,ネギ苗の生育を施肥オープナ片側・片側側条施肥区より良好にする傾向にあった。
抄録全体を表示