農業食料工学会誌
Online ISSN : 2189-0765
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77 巻, 5 号
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論文
研究論文
  • 小島 陽一郎, 阿部 佳之, 天羽 弘一, 井上 秀彦, 横江 未央
    2015 年77 巻5 号 p. 335-345
    発行日: 2015/09/01
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー

    本研究では,牧草サイレージの堆肥化処理において,発酵促進を目的とした水酸化ナトリウム,牛ふん堆肥,廃菌床の添加効果および,堆肥化過程での原料性状の変化を明らかにすることを目的とし,60L容器を用いた10週間の堆肥化試験をおこなった。その結果,添加物の有無によらず60%以上の乾物減少率であった。また,実験期間における繊維画分および各種有機酸の減少程度は添加物による差が小さかったものの,pH,アンモニア態窒素,およびコマツナ発芽試験では添加物により差がみられた。特に発芽試験では,堆肥添加条件以外で顕著な生育阻害効果が認められ,その原因はアンモニア態窒素によるものと推察された。

  • —経済効果とCO2排出量の推定—
    王 欣, 柴田 洋一, 片岡 崇
    2015 年77 巻5 号 p. 346-354
    発行日: 2015/09/01
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー

    北海道十勝地域において,バイオ燃料を地域内で製造·消費することを想定し,その経済効果とCO2排出量で示す環境影響を産業連関分析により定量的に算定した。具体的には,コムギ生産から発生する規格外コムギを原料にバイオエタノール燃料(BEF)を製造する場合と,新規栽培するナタネからバイオディーゼル燃料(BDF)を製造する場合という2つのシナリオを想定し,これらを比較した。その結果,両者とも自給·利用による経済的波及額は域外より域内の方が大きいことが示された。経済的波及額の総計は,新規栽培により経済活動が活発になるBDFの方が大きかった。CO2排出量は,BEF,BDFとも化石燃料を消費する現行システムより少ないことが明らかとなった。

技術論文
  • 河﨑 俊一郎, 上原 直子, 渡慶次 道安, 川満 芳信, 上野 正実
    2015 年77 巻5 号 p. 355-362
    発行日: 2015/09/01
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー

    人工光型植物工場では生産コストとりわけ電力コストの削減が急務である。本研究では,直流電源で駆動し,光源の高さを植物の生育に合わせて自在に調節でき,かつスライド式栽培棚を備えた水耕栽培システムを開発した。この栽培システムを用いてリーフレタスを水耕栽培した結果,成長に合わせて光源高を調節した棚では,固定光源棚に比較して成長は促進された。さらに,移植後30日目の調査では,光源高を調節した場合,新鮮重および乾物重,葉面積,葉数が一定区に比べ有意に高くなった。この結果から,植物の生育に合わせて光源の位置を変更した栽培では,固定光源棚に比較して3日短縮され,生産コストを9.5 %削減できることが明らかになった。

  • ウジャン パマン, 稲葉 繁樹, 内田 進
    2015 年77 巻5 号 p. 363-370
    発行日: 2015/09/01
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー

    インドネシア,カンバー地域において,3種類の耕うん機についてコストと作業性能についての現地調査を実施した。この地域の7つの地区の中からロータリ式22台,はつ土板プラウ式11台,フロート式耕うん機27台を調査対象とし,2012年および2013年においてこれらの機械の管理者·作業従事者·整備士に対するインタビューを実施してデータの収集を行った。その結果,フロート式耕うん機が,作業能率,運用コスト,利益において最適であるとの結論が得られた。耕うん機における損益分岐点は3.07ha/1シーズンであった。それゆえ,性能面·経済面ならびに所有を正当化する理由として,本研究では該当農家に対しフロート式耕うん機の選択を提案する。

  • —処理条件の選定と病害防除効果—
    野田 崇啓, 日髙 靖之, 伊與田 浩志, 越智 昭彦, 酒井 和彦, 薮 哲男, 上垣 陽平, 三室 元気, 守川 俊幸, 磯田 淳, 星 ...
    2015 年77 巻5 号 p. 371-383
    発行日: 2015/09/01
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー

    農薬を用いない環境保全型水稲種子消毒技術の能率向上と低コスト化を目的に,水蒸気の凝縮熱により水稲種子を高温短時間で加熱して消毒するとともに,慣行の温湯浸漬法と比べ,水稲種子の冷却と乾燥を大幅に簡略化できる水稲種子消毒装置を開発した。開発機の処理条件を選定するため,穀物乾燥分野で用いられる穀温計測に着目し,種々の加熱条件下で加熱後の種子温度と発芽率を測定した結果,両者に相関性を認めた。加熱後の種子温度を75±1°Cに設定することで,発芽率に悪影響を及ぼすことなく,温湯浸漬法と同等以上の病害防除効果を認めた。

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