土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造)
Online ISSN : 2185-6567
ISSN-L : 2185-6567
77 巻, 2 号
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和文論文
  • 栖原 健太郎, 辻 幸和, 李 春鶴, 西崎 辰冶, 五十嵐 数馬, 神頭 峰磯
    2021 年 77 巻 2 号 p. 25-36
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

     対称軸の無いRC断面にも膨張コンクリートを用いたCPC部材の膨張ひずみ分布を推定できる方法を提案した.その推定方法は,仕事量一定の仮定に基づくもので,対称軸を持つ断面に用いる推定方法に直交する2軸方向に関するモーメントのつり合い条件を加えたものである.そして,T形断面とL形断面の鉄筋の配置をそれぞれ4種類に変化して偏断面を再現したCPC梁を作製して膨張ひずみを実測し,提案方法による推定値との比較を行った結果,提案した推定方法によって,対称軸を持たない場合であっても,断面内のケミカルプレストレインを含む膨張ひずみ分布を推定できることが示唆された.

  • 取違 剛, 横関 康祐, 吉岡 一郎, 盛岡 実
    2021 年 77 巻 2 号 p. 37-54
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/20
    ジャーナル フリー

     強制的に炭酸化したセメント系材料におけるCO2固定量を定量的に評価することを目的に,高炉スラグ微粉末およびγ-2CaO・SiO2をセメント代替として用いたセメント系材料を,炭酸化が進行しやすい高温,低湿度,高CO2濃度の環境下で炭酸化養生し,CO2固定量を各種分析手法によって評価した.その結果,コンクリートのCO2固定量の評価には熱分析よりも無機炭素分析が適していることを確認した.また,高炉スラグ微粉末およびγ-2CaO・SiO2をセメント代替として用いたコンクリートを炭酸化養生することで,大量のCO2を固定できることを明らかにした.さらに,このコンクリートの空隙率や圧縮強度が,一般的なコンクリートと同程度であることを確認した.

  • 内海 和仁, 濱野 真彰, 松井 繁之, 山口 恒太, 田中 伸幸
    2021 年 77 巻 2 号 p. 55-64
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/05/20
    ジャーナル フリー

     軽量骨材を使用した軽量RC床版の経年劣化に対する補強は,普通RC床版で実施された輪荷重走行試験によって補強効果が確認された炭素繊維格子接着工法を用いることが多い.今回,その適用性を検証するため軽量RC床版を対象に,無補強の供試体および炭素繊維格子接着工法にて補強した供試体を用いて輪荷重走行試験を実施した.本論文はそれらの結果を示すとともに,既設の軽量RC床版の疲労損傷状況と比較して,補強効果と補強実施のタイミングについて検討したものである.その結果,軽量RC床版に対する炭素繊維格子接着工法による補強効果があることと補強のタイミングと補強効果の関係を明らかにし,損傷の進展の指標値として,ひび割れ密度の増加に着目し,適切な時期に補強を実施するべきであると提言できた.

和文報告
  • 榊原 直樹, 冨塚 翔太, 吉田 敦, 前島 拓, 子田 康弘, 岩城 一郎
    2021 年 77 巻 2 号 p. 65-77
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/06/20
    ジャーナル フリー

     凍結防止剤散布環境下における道路橋場所打ちPC床版の耐久性確保のため,地産地消を前提としたフライアッシュコンクリートの施工性の検討とその現場実装を行った.検討手順として,1)室内試験,2)模擬床版を用いた施工性確認試験,3)課題解決のための室内試験,4)最終確認のための実機練り試験を通して,要求性能を満足するコンクリートの配合を決定した.その結果,早強ポルトランドセメントとフライアッシュを併用したコンクリートでは,スランプおよび空気量のロスが著しいため,現場到着時間を見越した工場出荷時の適正な上げ越し量を設定する必要があると判断した.実施工ではポンプ圧送後のフレッシュ性状も良好であったことから,場所打ちPC床版においてもフライアッシュコンクリートの適用が可能であることを明らかにした.

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