土木学会論文集A1（構造・地震工学）

地震工学論文集第30巻

断面形状の異なる橋桁に作用する津波の流体力に関する実験的研究

中尾尚史, 伊津野和行, 小林紘士

2009 年 65 巻 1 号 p. 892-898
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/30

DOIhttps://doi.org/10.2208/jscejseee.65.892

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沿岸部に位置する橋梁等の構造物は津波によって被害を受ける可能性がある．しかし橋梁構造物においては，津波外力が橋梁に作用した場合の流体力の特性は解明されていない．本研究では，橋梁に対する津波の影響に関する基礎的なデ-タを得るために，単純な断面の橋梁2次元模型を用いて津波作用時の橋梁周辺の流況や流体力を実験により計測した．その結果，橋梁模型を越波するときの流体力は，橋梁模型を越波しないときの流体力に比べ10倍以上大きいものとなることがわかった．また流体力は支点に負の反力を発生させる可能性があることがわかった．

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橋梁構造物に作用する津波波力の数値計算

鴫原良典, 藤間功司, 庄司学

2009 年 65 巻 1 号 p. 899-904
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/30

DOIhttps://doi.org/10.2208/jscejseee.65.899

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本研究では橋梁に作用する津波波力の数値計算を実施し，浅水理論式に基づく平面2次元モデルとNavier-Stokes式に基づく3次元モデルの計算結果の違いについて比較·検討した．水平波力については，特に橋梁前面部に生じる衝撃波力の再現において，3次元モデルの有効性を確認した．また，平面2次元モデルでは慣性力を考慮し，抗力には適当な抗力係数を与えることで水平波力を推定できる可能性がある．一方で鉛直波力については，波力の作用方向も正負逆になりいずれの計算条件でも再現は難しいことがわかった．

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実務的手法による津波波力の評価
―直立構造物に作用する波力の数値計算―

鴫原良典, 小竹康夫, 岩瀬浩之, 藤間功司

2009 年 65 巻 1 号 p. 905-913
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/30

DOIhttps://doi.org/10.2208/jscejseee.65.905

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本研究は，ビルや護岸などの直立構造物に対して作用する津波波力と波圧の評価方法に係る検討として，これまで提案された数値モデルを利用した津波波力と波圧の推定手法の適用性を議論した．既往の浅水理論に基づく平面2次元モデルは，陸上の遡上津波の再現性に問題があり，数値モデルの改良が必要であることが明らかになった．また，波力と波圧の評価にはNavier-Stokes式に基づく3次元モデルが有効であるが，計算時間が膨大であるため実務計算で市街地全体の評価などに適用するのは難しい．市街地等のマクロな津波氾濫挙動の計算には平面2次元モデルを使用し，構造物単位の波力評価には3次元モデルを採用するなどの，使用目的に応じた数値モデルの使い分けが必要である．

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橋梁に作用する津波の流体力と流況に関するＳＰＨ法解析

村上晋平, Ha BUI Hong, 中尾尚史, 伊津野和行

2009 年 65 巻 1 号 p. 914-920
発行日: 2009年
公開日: 2011/04/30

DOIhttps://doi.org/10.2208/jscejseee.65.914

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本研究では，橋梁に津波が作用した際の，橋桁周辺部の流れの様子及び橋桁に作用した流体力を明らかにするため，粒子法の一つであるSPH法を用いて数値シミュレーションを行った.また，1/150縮尺の橋桁模型に段波を作用させる水理実験を行った.本研究の数値シミュレーションは，この水理実験の津波の作用条件に基づいて行い，水理実験結果とSPH法によるシミュレーション結果を比較検討して，精度と解析の整合性について検討を行った.その結果，橋桁に作用した流体の越波を表現できる解析精度を明らかにし，解析の精度を保つ解析条件の選定を行った上で，水理実験の結果との整合性をもつ解析条件を明らかにした.

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