日本禁煙学会雑誌
Online ISSN : 1882-6806
ISSN-L : 1882-6806
13 巻, 5 号
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報告
原著
  • 瀬在 泉, 加濃 正人, 埴岡 隆
    原稿種別: 原著
    2018 年 13 巻 5 号 p. 94-100
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2019/07/10
    ジャーナル フリー

    【目 的】 禁煙外来に携わる医師・看護職の「動機づけ面接」(MI)の学習経験と有用性について検討する。

    【方 法】 日本禁煙学会専門指導者・認定指導者のうち無作為抽出した医師・看護職500名に質問紙調査を実施。回答者251名中、MIの研修会等に参加経験がある90名の結果を分析。

    【結 果】 半日~1日程度の研修会に参加経験がある者93.3%、コーチング等を受けた経験がある者24.2%、定期的な勉強会に参加している者27.5%であった。MIは禁煙支援に役立っていると答えた者は73.3%、最も役に立っている内容は「チェンジトークへの対応」であった。

    【考 察】 対象者の多くは半日~1日程度の研修会参加経験であるが禁煙支援にMIは概ね役立つと感じ、役立つ内容は禁煙への目標指向性を強化するスキルと考えられた。

    【結 論】 MIの学習経験は禁煙支援に概ね有用であり、特に目標指向性を強化するスキルの活用が示唆された。

原著
  • 松浪 容子, 古瀬 みどり, 川合 厚子
    原稿種別: 原著
    2018 年 13 巻 5 号 p. 101-109
    発行日: 2018/12/31
    公開日: 2019/07/10
    ジャーナル フリー

    【目 的】 福祉事務所における生活保護受給者に対する禁煙支援の実態を社会的ニコチン依存の観点から明らかにする。

    【方 法】 全国の1,273か所の福祉事務所現業員を対象に質問紙調査を実施し、回答のあった1,583人について分析した。

    【結 果】 半数以上の現業員が受給者の喫煙状況を把握し、禁煙の必要性を感じ、禁煙に関する助言を経験する一方で、禁煙治療に至る頻度は少ない結果であった。KTSNDと禁煙の必要性の認識との間、KTSNDと助言経験との間に有意な関連が認められた。

    【考 察】 現業員の社会的ニコチン依存が、受給者に対する禁煙支援の積極性に影響している可能性が示唆された。

    【結 論】 現業員の過半数が受給者の喫煙状況を把握し、禁煙の必要性を認識し助言する一方で、禁煙治療に結び付けられているケースは少ないことが課題である。今後、介入方法、保健・医療・福祉の連携方法等の検討が必要である。

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