日本禁煙学会雑誌
Online ISSN : 1882-6806
ISSN-L : 1882-6806
15 巻, 5 号
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巻頭言
原著
  • 加賀 元宗, 渡邉 浩司, 鎌田 文顕, 松木 茂伸, 中村 理恵
    原稿種別: 原著
    2020 年 15 巻 5 号 p. 102-108
    発行日: 2020/12/30
    公開日: 2021/02/09
    ジャーナル フリー
    【目 的】 当院で出生したSmall for gestational age (SGA)児の長期予後と、両親の喫煙との関連について検討する。
    【方 法】 当院の分娩簿・診療録を用いて、児の長期予後や両親の喫煙を調査した。詳細が不明な場合は調査用紙を郵送し、必要に応じて外来を受診していただいた。
    【結 果】 長期追跡可能なSGA児は137例であった。そのうち約半数が喫煙関連合併症を有しており、乳幼児突然死症候群(SIDS)が2例含まれていた。妊娠初期に両親または両親のいずれかが喫煙していたのは74例(54%)で、妊娠中に多くの母(73%)は禁煙したが、ほとんどの父(98%)は喫煙を継続していた。両親または両親のいずれかが喫煙している群は、喫煙していない群に比し、有意に気管支喘息を発症していた(オッズ比6.896, p<0.05)。
    【考 察】 SGA児はさまざまな合併症を有していた。児へのさまざまな合併症や悲劇的なSIDSを防ぐため、両親への妊娠早期からの禁煙指導が必要である。
    【結 語】 周産期における禁煙指導は重要である。
原著
  • 藤原 直子, 中角 祐治, 中嶋 貴子
    原稿種別: 原著
    2020 年 15 巻 5 号 p. 109-115
    発行日: 2020/12/30
    公開日: 2021/02/09
    ジャーナル フリー
    【目 的】 大学の授業内で「認知とストレス」に関する講義を行い、喫煙に対する意識に与える効果を検討する。
    【方 法】 一般教養科目「心理学」において、「認知とストレス」に関する講義を行い、ストレス度、加濃式社会的ニコチン依存度(KTSND)、授業に対する感想を収集し、集計した。
    【結 果】 1年生396名について講義前と講義後を比較した結果、KTSND合計点が11.17(SD=6.00)から8.52(SD=5.12)となり有意に減少した。各項目においても、設問2以外の9項目が有意に減少した。
    【考 察】 講義によって喫煙に対する意識に改善がみられた。ストレスと認知の関係を知ったうえで、自身の認知や対処方法を見直すことは喫煙防止に効果があることが示唆された。
    【結 語】 将来的な喫煙防止のために、未成年のうちに物質への心理的依存を予防することが必要である。
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