日本禁煙学会雑誌
Online ISSN : 1882-6806
ISSN-L : 1882-6806
10 巻, 5 号
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巻頭言
原著
  • 北原 良洋, 吉田 敬, 古玉 純子, 奥本 穣, 荒木 佑亮, 難波 将史, 佐々木 啓介, 中野 喜久雄
    2015 年10 巻5 号 p. 79-84
    発行日: 2015/12/21
    公開日: 2015/12/26
    ジャーナル フリー
    【目 的】 禁煙外来に通院する禁煙希望者の基礎疾患が、短期的な禁煙の成否に及ぼす影響を検討した。
    【方 法】 当院の禁煙外来を受診した禁煙希望者98名(男性77名、女性21名、平均年齢58.5 ± 1.4歳)を対象とし、短期的な禁煙の成否に対する予測因子を基礎疾患も含めて検討した。
    【結 果】 基礎疾患として脂質異常症を有すること、初診時の高い呼気一酸化炭素(CO)濃度が禁煙失敗に対する独立した予測因子であり、5回すべて受診することが禁煙成功に対する独立した予測因子であった。
    【考察・結語】 禁煙外来へのアドヒアランスや最終的な受診回数はレトロスペクティブにしか知り得ないが、呼気CO濃度と脂質異常症の有無は初診時に把握が可能な情報である。初診時の呼気CO濃度が高値である、あるいは脂質異常症を有する患者群の禁煙指導においては、禁煙に失敗する可能性が高いことに留意して、より綿密な指導・支援が重要になる。
  • 石井 正和, 大西 司, 長野 明日香, 石橋 正祥, 相良 博典
    2015 年10 巻5 号 p. 85-93
    発行日: 2015/12/21
    公開日: 2015/12/26
    ジャーナル フリー
    【目 的】 保険薬局の薬剤師による禁煙支援の現状と今後の課題について明らかにする。
    【方 法】 日本禁煙学会の専門医および認定医(200名)と保険薬局の管理薬剤師(300名)を対象にアンケート調査を実施した。
    【結 果】 回収率は医師対象のアンケートが49%(98名/200名)、薬剤師対象のアンケートが43%(128名/300名)であった。医師は薬剤師よりも薬局薬剤師による禁煙支援(禁煙の勧め、禁煙補助薬の供給・服薬指導、禁煙指導、禁煙外来への受診勧奨)の必要性を強く感じていた。薬局薬剤師による禁煙支援の現状は医師が望む状況にはほど遠かったが、禁煙補助薬を取り扱っている薬剤師は、禁煙補助薬を取り扱っていない薬剤師と比較して、禁煙支援を行っていることが明らかとなった。医師も薬剤師も、薬局薬剤師がより良い禁煙支援を行うためには、禁煙補助薬の効果や副作用の確認、禁煙治療に対しての継続的なフォロー、医師と協力した支援が必要だと感じていた。
    【結 論】薬局薬剤師による禁煙支援体制は、医師が望む状況にはなっていなかった。薬局薬剤師がより良い禁煙支援を行うためには、医師と連携した支援を行う必要がある。
資料
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