【目 的】 各都道府県の薬局機能情報ウェブサイトを用いて、わが国における禁煙相談薬局の実態調査を行い、各都道府県の喫煙率との関連性について検討する。【方 法】 47都道府県の薬局機能情報ウェブサイトを用いて調査した。【結 果】 わが国の全薬局数に占める禁煙相談可能薬局の設置割合は平均61%であったが、そのうち石川県が95%と最も高く、沖縄県では0.1%と地域差が認められた。13県(全体の約3割)では禁煙相談を薬局機能情報として公表していなかった。各都道府県の禁煙相談薬局の設置割合と喫煙率には弱い負の相関がみられた(順位相関係数–0.353、p=0.02)。【結 語】 わが国における禁煙支援環境の地域差の縮減に向けて、喫煙率が高い地域には禁煙相談薬局の増設が望まれる。また、地域住民が禁煙サポート薬局を適切に選択するためには、当該項目を薬局機能情報の公表指定項目として、各都道府県の掲載内容の標準化を図る必要がある。
動機づけ面接法を専門とする禁煙指導専門医によるスーパービジョン(SV)のもと、オンライン面接による喫煙者と動機づけ面接法(MI)を専門とする保健師が1対1の禁煙支援を行った。本報告では、禁煙を開始・継続した2事例について、会話内容が及ぼす影響およびSVの役割を明らかにすることを目的とした。方法は、MIを用いて約3か月間に5回の面接を行い、各回の面接後にSVを受けて振り返り、次回の面接に臨んだ。その結果、「関わるプロセス」で支援者が本人の重要な価値を禁煙と関連づけて関係構築を意図した会話、禁煙を希望しながら続く両価性に対してその理由を引き出す会話が、チェンジトークを促し、自信度の上昇に繋がった。SVは、面接の構造化と個別性に応じた維持トークへの対応の準備と次回の面接改善の役割を担った。今後は禁煙に至らない事例を含め、禁煙に影響する要素の抽出などの蓄積が必要である。
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