日本禁煙学会雑誌
Online ISSN : 1882-6806
ISSN-L : 1882-6806
15 巻, 3 号
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巻頭言
原著
  • 野口 愛, 福島 啓, 大谷 紗代, 今村 翔太郎
    原稿種別: 原著
    2020 年15 巻3 号 p. 56-61
    発行日: 2020/09/15
    公開日: 2020/10/23
    ジャーナル フリー
    【目 的】 本研究の目的は喫煙防止教室が喫煙防止の意識を向上および維持させているかどうかを調べることである。
    【方 法】 喫煙防止の意識を測定するために加濃式社会的ニコチン依存度調査票小学校高学年版(KTSND youth)を使用した。小学校5・6年生に対して45分間の喫煙防止教室を行った。喫煙防止教室を受けた児童を介入群、受けなかった児童を対照群として、小学生で3か月後の短期効果、中学生で1~2年後の長期効果を調べた。
    【結 果】 小学生の介入群では3か月後にKTSND-youthのスコアが有意に低下したのに対して(p<0.001)、対照群では有意差が見られなかった(p=0.66)。中学1年生では介入群は対照群と比較して有意にスコアが低かったのに対して(p=0.019)、中学2年生では有意差が見られなかった(p=0.89)。
    【結 論】 小学生に対する喫煙防止教室によって喫煙防止の意識が3か月後および1年後まで改善する可能性が示唆された。
  • 大矢 幸慧, 稲垣 幸司, 増田 麻里, 犬飼 順子, 高阪 利美, 長尾 徹, 内藤 徹, 田淵 貴大, 姜 英, 大和 浩
    原稿種別: 原著
    2020 年15 巻3 号 p. 62-69
    発行日: 2020/09/15
    公開日: 2020/10/23
    ジャーナル フリー
    【目 的】 歯科衛生士をめざす学生の加熱式タバコを含めた喫煙に対する認識の実態を把握する。
    【方 法】 愛知学院大学短期大学部女子学生311名を対象に、2019年4月Web 質問票調査を実施した。
    【結 果】 質問票は301名(回収率97%、19.3 ± 1.4歳)から回答を得、喫煙者は、紙巻きタバコ3名(1%)、加熱式タバコ4名(1%)で、うち1名は二重喫煙者であった。また、加熱式タバコの認知度は91%と高かった一方、加熱式タバコの認識8項目すべてを、正しく認識していた者は36名(12%)と低かった。喫煙経験別KTSND中央値は、未経験者と比べ経験者のほうが、受動喫煙有無別では、非曝露群と比べ曝露群のほうが、有意に高くなった。
    【考 察】 喫煙状況別KTSND得点は、従来の報告と同様の傾向であった。
    【結 論】 将来、禁煙支援を担う歯科衛生士に対して、加熱式タバコを含めた喫煙に関する脱タバコ教育を行うことが重要であると思われた。
  • 瀬在 泉, 谷口 千枝, 平野 公康, 若尾 文彦
    原稿種別: 原著
    2020 年15 巻3 号 p. 70-79
    発行日: 2020/09/15
    公開日: 2020/10/23
    ジャーナル フリー
    【目 的】 本研究の目的は、看護職の禁煙支援に対する自己効力感や態度の向上を目的に行った禁煙支援研修会を評価することである。
    【方 法】 研修会は2018年5月~2019年1月、都道府県看護協会の協力のもと全国5か所で行った。参加者総数338人、有効回答数303件。評価は無記名式質問紙調査の前後比較デザインとし、禁煙支援に対する自己効力感、禁煙支援に対する態度や関心度などを測定した。
    【結 果】 禁煙支援に対する自己効力感は全対象者が研修前に比べ研修後に有意に上昇した。群別では、研修前禁煙支援に携わっていない者の禁煙支援に対する自己効力感、態度に関する項目もすべて有意に上昇した。
    【考 察】 本研修会は、看護職の禁煙支援に対する自信や態度を向上するために有用なものである可能性が示唆された。本研究では参加者が研修会参加後禁煙支援の行動に至ったかは不明である。
    【結 論】 看護職に対する禁煙支援の研修会は禁煙支援に対する自己効力感や態度の向上に概ね有用であった。
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