日本禁煙学会雑誌
Online ISSN : 1882-6806
ISSN-L : 1882-6806
11 巻, 2 号
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巻頭言
原著
  • 板倉 葉子, 斉藤 恵美子, 村松 弘康
    2016 年 11 巻 2 号 p. 22-30
    発行日: 2016/04/26
    公開日: 2016/05/14
    ジャーナル フリー
    【目 的】 診療所の禁煙外来受診者の自己効力感と12週間後の禁煙外来終了時での禁煙継続との関連を明らかにすることを目的とした。
    【方 法】 2013年7~11月までの禁煙外来受診者81名を対象に、禁煙に対する動機と自信、自己効力感、外来受診回数等の治療内容と12週間後の禁煙継続の状況等についてデータ収集した。
    【結 果】 禁煙継続者は44名(54.3%)であった。禁煙継続群は非継続群に比較して、「以前よりやめたかった」と回答した人、5回以上受診した人の割合、自己効力感の下位尺度「失敗に対する不安」の中央値が統計的に有意に高かった。
    【考 察】 初診時の禁煙に対する動機や自己効力感の傾向を把握することは、禁煙継続の支援に有用と考える。
    【結 論】 禁煙外来受診者の12週間後の禁煙継続者は約50%であった。禁煙継続のためには、定期的な外来受診を促し、自己効力感を向上させる支援が有用であることが示唆された。
  • 松浪 容子, 山口 美友紀, 古瀬 みどり, 熱海 裕之
    2016 年 11 巻 2 号 p. 31-39
    発行日: 2016/04/26
    公開日: 2016/05/14
    ジャーナル フリー
    【目 的】 看護学生の受動喫煙に関する認識を入学前の喫煙防止教育受講歴の違いに着目して比較分析する。
    【方 法】 看護学生を対象にアンケート調査を実施した。
    【結 果】 全体の喫煙率は1.3%、受動喫煙の回避を心がけている者は全体の67.1%であった。受動喫煙の害の認識別にみると、「妊婦への影響」と「歯周病」を認識している群のほうが認識していない群よりも有意に受動喫煙の害について学んだ回数が多かった。また、「妊婦への影響」と「歯周病」を認識している群のほうが認識していない群よりも有意に受動喫煙の害について小学校で学んだ割合が多かった。さらに、小学校で最初に学んだ群では、受動喫煙の害として認識している項目数が多かった。しかしながら、受動喫煙の回避行動別にみると、受動喫煙の回避を心がけている群と回避しない群とでは、入学前の受講回数に統計的有意な差は認められなかった。
    【考 察】 入学前の喫煙防止教育受講歴の違いが受動喫煙に対する知識や認識に影響する可能性が示唆された。
    【結 論】 受動喫煙に関する認識を高めるためには早期からの継続的で発展的な教育が重要である。
資料
  • 子どもを守り、格差を減らそう
    Cancer Research UK, Action on Smoking and Health(ASH) , 翻訳:松崎 道幸
    2016 年 11 巻 2 号 p. 40-60
    発行日: 2016/04/26
    公開日: 2016/05/14
    ジャーナル フリー
    「Smoking Still Kills」は、Cancer Research UK(世界最大のがん撲滅のための研究と資金援助を行う事前援助団体)と英国心臓財団の援助を受けてAction on Smoking and Health(ASH)が作成し発表した報告書である。 イングランド政府が策定したタバコ規制5か年計画は、2015年に最終年度を迎える。この報告書の目的は、今後10年間に喫煙率の大幅な低下を実現するうえで必要な新たな目標とイングランド政府の戦略を提案することにある。提案された諸勧告は、郡レベルの4回の会合で国と地方のタバココントロール専門家の意見を勘案したうえ、様々な分野の学者、専門家への諮問結果を編集委員会がまとめたものである。
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