【目 的】 当科禁煙外来にて禁煙補助薬バレニクリンによる禁煙治療を行った症例で嘔気出現に関連する患者背景を明らかにする。
【方 法】 2008年5月から2014年4月までバレニクリンで禁煙治療を行った261名を対象とし、嘔気発現の有無別に患者背景を比較した。またロジスティック回帰分析を行い嘔気発現に寄与する因子を検証した。
【結 果】 男性54/211名(25.6%)、女性26/50名(52%)に嘔気が出現した。嘔気が出現した患者は有意に女性、e-GFR低値であった。また高年齢、低身長、低体重、喫煙年数が長い患者に嘔気が多く見られた。ロジスティック回帰分析では性別(女性)とe-GFR低下が独立して嘔気出現に寄与していた。
【考察及び結論】 腎機能低下患者や女性患者において、バレニクリンによる嘔気が出現しやすいことが明らかとなった。嘔気出現リスクの高い患者に対してバレニクリン減量処方を行うなど、治療法選択の余地があると考えられた。
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