高校で学ぶ歴史が大きく変化しているのをご存知でしょうか.近代以降の世界史と日本史を統合した「歴史総合」という科目ができて必修になったんだそうです.日本で言うと明治維新以降の世界の動きを学び,その中で日本はどうなっていっ
例年,日本物理学会物理教育委員会が主催している物理教育シンポジウムの背景にある思いは,教員や物理教育に携わる方,物理教育・学習に関心のある方とともに,教育現場の課題や期待について,講演・事例紹介をもとに一緒に考えていき
1.はじめに
高等学校学習指導要領 (平成30年告示) では,複数の教科や科目で探究的な活動が重視されている.理数以外でも,古典探究,地理探究,日本史探究と世界史探究が設けられた.総合的な学習の
ジャスト・イン・タイム教授法 (Just in Time Teaching:以下JiTT) は米国の大学の物理教育で誕生した教授方法である1).米国における最新の物理教育方法を日本にも導入しようと日本物理
学習者が主体的に授業に参加し,力学の概念を獲得しながら,課題解決活動を通して物理の面白さを感じる授業とはどのようなものだろうか.学習者に自由に課題に取り組ませると,学習者の満
2018年 (平成30年) 告示の高等学校学習指導要領に「自然の事物・現象を科学的に探究するために必要な資質・能力の育成」が理科の目標となりました1).過去にも探究は取り上げられました
本稿は,日本初のノーベル賞受賞者,湯川秀樹 (1907-1981) の旧制高等学校時代とそれに至る過程を通じて,彼が物理を選ぶまでの背景を追い,日本の物理教育の一端を考えるものである.な
この解説では,水中の金属球の回転振動を測定し,粘性の効果について流体力学の基礎方程式と力学の運動方程式を使って定量的に理解することを試みたので報告する.流体中の物体への摩擦力
東京都市大学では,理工系諸学科の初年次学生を対象に,学科ごとに物理学実験 (a)(b) を実施しており,今回取り上げるモノコードの実験1)もそのうちの一つである.
物理学を主専攻としない理工系学生向けの入門的な物理学の授業に関しては,さまざまな大学にて多様な実践がなされている1-4).そのような物理学基礎教育での工夫の必要性は受講生の多様性
理工系大学では,初年次で基礎科目として数学や物理が配置される.尾崎らは,専門基礎科目としての物理は,高等学校での物理・数学と専門科目とのリンクを行い,滑らかに接続させることが
理工系人材の確保は,先進国共通の悩みである.確保の方法には,大きく二つある.一つは,国内において,理工系人材を育成することであり,もう一つは,海外から理工系人材を獲得する
1.著者について
著者は中央大学理工学部物理学科教授である.学科HPによれば同学部で優れた講義を行った教員に送られるベストティーチャー賞を2022年5月に受賞したとある.専門分野は新規物質の発見
1.スポーツ動作における末端部の加速
投球動作,打撃動作,キック動作などさまざまなスポーツ動作では,体の末端部や打具をいかに加速するかが重要である.この末端部の加速は古くから論じられ,「むち動作」や「運動連鎖」と
力学の講義内容は,基本となる運動の3法則から種々の定理が演繹的に導出でき,多様な現象も説明できるため,講義中にデータサイエンスに関係する話題は出てこない.もちろん,なんらかの実験を行えば,逆問題となるため,既知の定理な
学習院大学名誉教授であり物理学会会長を務められたこともある江沢洋先生が2023年9月10日に逝去されました.享年91歳でした.
お付き合いの最初から,江沢さん中村さんと呼び合ってきましたので,以下では,江沢さんと呼
江沢先生とお会いしたことがない方でも,江沢先生の本にお世話になった方は大勢おられると思います.「江沢洋先生を偲ぶ会」 (5月19日,学習院大学) 参加の際に頂いた資料によると74冊の著書,訳書,編集・解説があります.それに
「ぼくの提案を採用してくださってありがとうございます」というメイルを何度も頂いた.恐縮するばかり.だがこれも,物理に興味を持ち考えることを楽しむ者はだれもが物理学者である,とする江沢さんが,私たちとも対等に議論し合おう
原康夫さんが,2024年2月13日に亡くなられた.日課の散歩中に突然倒れられたそうである.原さんとは,物理教育の分野で一緒に仕事をした.1977年に「素粒子の四元模型」で仁科記念
原先生とは,先生が物理学会の物理教育委員会で活躍される頃から,さまざまなところで接点が生まれている.私の兄と高等学校の同級生ということもあり,私のため口にも,あいつの弟なら仕方がないかと,おおらかにお許しいただいていた
本誌の編集委員として,私の編集後記が初めて掲載されたのが22巻2号 (2016) でした.編集委員を引き受けた理由として「日本の大学における物理教育が今どうなっているのかを垣間見ることができるかもしれない」との思いとから,と記し
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編集後記
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