秋田縣和賀郡山内村黒澤及上黒澤に發達せる第三紀層中に産する化石に就き本論丈に於て述べたり。化石並に地層は秋田・山形兩縣下に於ける分布並に層位的關係よりして下部鮮新統なること明らかとなれり。尚詳細報告は準備中なり。

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長尾教授の好意により北海道帝國大學理學部地質學鑛物學教室所藏南樺太豐原郡川上炭坑産の化石木を研究せる結果その中にTaxodioxylon albertenseに同定出來るものを見出した。このものは先に筆者が福島縣双葉郡廣野村のセノニアン層から報告せるものと全く同一種であつて, 共にPENHALLOWによつてカナダのAlberta地方の白堊紀層から曾て報告せられたものと區別し難い。

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筆者等は前囘の本會席上に於いて岩手縣氣仙郡日頃市村の下部石炭紀の石灰岩からHexaphylliaの2新種を報告し, 同時にHeterophylliaの共産するを指摘したが, 其後研究を續けた結果其Heterophylliaも1新種なることを確め得た。是等兩屬は日本種を合せ合計6種づゝ世界から知られ, 殊に日本がHeterophylliaの第2の産地である。幸ひ日本産此兩屬の種は何れも保存良く, 内部構造を充分伺ひ得たのみならず, Heterophylliaに於いては幼期から成熟期に至る間の縦隔壁の變化並に配列の順序を窺ふことが出來た。此の結果によると是等兩屬は互に密接なる關係を示し, 六射珊瑚並に四射珊瑚中の何れの既存の科にも入れられない性質を示してゐる。從つて是等兩屬を包含する1新科Heterophylliaeを此處に提唱する。
既に知られた如く六射珊瑚では縦隔壁が6ヶ所に一様に而も放射状に現はれるが, 四射珊瑚では4ヶ所に限られてゐる。Heterophymdaeでは更に2ヶ所に限られるのみならず, 縦隔壁が左右對稱に配列される事並に骨格の内部構造等は四射珊瑚に近縁である。從つて四射瑚瑚を新にTetracoeliaとDycoeliaとに新に2分しHeterophyllidaeを後者に入れるか最も妥當である。

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仙臺北方七北田地方に發達せる中新統中Glycymerisの帯をなして廣く分布せる礫岩あり。之は筆者等のGlycymeris帯と呼ぶものなり。
該帯中最も多く産する化石はGlycymeris matumoriensis NOMURA and HATAIにして, その形大型にして, 恰も圓形をなし, 厚き殻を有す。
地層中に含まるゝ状態はnormalなり。即ちconvex sideを上方に向けるもの多く, convex sideを下方に向けるもの前者に比し少し。概して地層の傾斜面に封し平行或は少しく斜に位置す。
他の介化石も同様摩滅を受けたるもの, 或は破片となりたるもの甚だ稀にして, 総じて堅牢なるもの多し。
礫岩中の礫は多くの場合大きさの一様なるもの配列し, 其の間に頗る大なるもの挿入することあるも極めて少し。固結物は砂にして, 二次的變化により生じたる石灰物質を以て凝固し, 場所により凝灰質なる部分もあり。
中新統中Glycymeris帯と名付けられたるもの殆んどなく, 鮮新統又は更新統にては時々觀らるゝものあり。介殻の厚さ, 大いさ, 量及層位上より判斷するに該帯は恐らく淺海に於て形成せられしものと思惟す。

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チモール島産のC.“Purdoni”が研究結果DAVIDSONの該種に周さざる事明かとなり, 之に封し新名Camarophoria timorensisを與ふ。

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Tomopteura. Tomopleura CASEY, 1904, Pleurotoma nivea as its type is valid and takes place Asthenotoma of the Japonic fauna.
Paradrillia. A new subgenus of Clavatula. Type: Drillia dainichiensis YOKOYAMA, 1923. Different from Trachelochetus in having a slender spire and well-marked special bands near the shoulder, in front of which axials bifurcate, and making a cancellate ornament with spirals.
Drillia. This old name is valid for the type D. umbilicata GRAY, 1838 is not a species of Clavatula. Inquisitor and Clavus which have been used for such species as Drillia jeffreysii will be aken place be Drillia.

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Four apparently tridactyle footprints impressed onl two coarse-grained Sandstone P!ates were collected by Mr. S. SATO'S party of geological explorers of the Mansyú Kôgyô Kaihatu Kaisya at Ssuchiatzu near Yangshan, lying south of Choyang in Chinchou. The sandstone is presumably Cretaceous in age. The best one is here photographed (somewhat reduced, about 0.7 of natural size).
For the convenience of future reference, the footprints are to be distinguished under the inurle Jcholosauripus s-satoi; some details are to be given in the forthcoming number of the Proceedings of the Imperial Academy, Vol.XVI.

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福島市外渡利村附近に最近灌漑用水道工事が行はれてゐる。其の工事中昨年4月下旬渡利村小倉寺附近の洪積層中より象歯化石が出土した。依つて其の種類及び出土地鳳の研究調査を行つた。共の概略を報告する。

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