不銹鋼板には種類が多いが一般にNi-Cr鋼を指すのであつてこれを大別するとパーライト系不銹鋼とオーステナイト系不銹鋼に別けられる. 不銹鋼板は主なる使用目的が耐蝕と云ふ特性にある爲, 繰返曲げ應力と云ふ様な問題は等閑に附されてゐた. 以下不銹鋼板の熔接部及び熔接に依る熱影響部が繰返曲げ應力に對し如何なるものかを試験して見た.
不銹鋼板の熔接方法としてArc Welding, Spot Welding, Seam Welding, Flush Butt Weldingの4方法が考へられるが, 〓では前3者に就て試験結果を求めた. 試験結果はその方法の詳細なる比較説明あつて始めて了解され得るものである. この爲試片製作途中に起りし2, 3の問題に就ても述べて見た.
大略として非熔接板と被熔接板との比較に於て繰返曲げ應力は1/3に低下する事を知る.
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