被覆電極棒中には種々の理由により有機物を含む場合が屡々ある。又其の不完全燃燒により生する還元性ガスを利用して不純物少き熔着鋼を得るため特に有機物が加へられて居る場合がある。
然しながら被覆電極棒中に有機物が存在する場合に就いて著者の實驗せる結果は、金屬の流動性を害し氣泡を増加する場合,炭素含有量を補ひ硬度を増加する場合、優秀なる抗張力を得る場合、組織を細くする場合、壼に龜裂を生ずる場合等々である。
之等は有機物の種類により量により將又用ひられたる樣式により異るべきであらう。被覆電極棒中の有機物一般に就ての影響を考察し、且つ熔着鋼後端部に生する龜裂の原因を考察すると共に有機物の不完全燒による生成物との關係に就き實驗並に推察を行ふ。
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