本論文は吾が國に於いて主として構造用鋼材の電弧熔接に使用する電極棒の諸性質の中特に外觀上並に簡單に調査され得る事項を取扱つたものである。調査せる事項は
(1)電極棒の寸法(2)被覆劑の厚(3)電極棒の重量(4)心線の比重(5)被覆劑の曲げ附着性等である。
本調査範圍によれば、電極棒の長さは大體3種に分ける事が出來その中450mmと350mmの部類に屬すべきものが最も多い。しかしその長さは殆ど統一されてをらない。被覆劑の厚は電極棒心線の太さによつて異るのが當然であるから之を面積比で表すと極めて薄い棒では心線斷面積の1・5%なるに對し極めて厚い棒では約150%~200%に及び非常に相異してをる。從つて電極棒重量は頗る區々であるが心線の單位體積當りに換算すれば7・85~10・7g/cm
3となる。心線の比重は7・7~7・9なるものが多い。被覆劑は電極棒の屈曲を行つてその龜裂剥落の開始角度を見るに大多數は30°以上であるが小なるは8°より大なるは180°以上に及ぶものもある。
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