熔接を行へば必す殘留歪と内力の問題が伴ひ,これ等に關しては既に多くの研究があるが殘された分野も相當に多い.板の局部的な熔接牧縮が原因となつでこれより離れた板の部分に意外に大なる撓みを生ずる事實は特に蒲板の場合に屡々經驗するところであるが,筆者は簡單なる假定の下に熔接される板の長さ,熔接部の收縮と板の最大撓うとの間の關係を表はす式を誘導し,これを圓形底板をもつタンクの場合に適用してそめ外周圓周方向の收縮量を求めることが出来たかくして得た値と別に画板周園熔接による撓みの現象を利用して得られ泥熔接部附近の塑性變形範囲の幅の値とを知つて,この場合の殘瘤内力に樹して或程度の考察を試みた.
考へ方としては頗る單純なるものではあるが,これにより極めて小なる板の局部收繽が意想外に大なる母板の撓みの原因となることを知り,簡單なる熔接の場合には撓みと板の大いさとを知ることにより,'微小なる熔接部の收縮量を精密測定器を用ふる必要なしに計算から求め得られ,少しく複雜せる場合には同樣計算によつてその間の概念を得ることが出來る.
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