高速度鋼は我國にとつては重要資材の一つでありこれが急速なる生産の擴充を圖る一方極力節約をも講じなければならぬ.商工省令によつて無垢バイトの製造,販賣を禁止したのもこれが意圖に外ならない,爾來高速度鋼附刄に關する研究が各處に於て行はれ何れも大なる效果を擧げつゝあるが,その一方法である原子水素熔接法による盛金法をバイト以外の切削工具(例へばカッタ,リーマ)に利用せんとする場合に,盛金後一旦機械加工を行ふ必要上當然その熱慮理を考慮しなければならぬ.本實驗はこの目的のために行つたのであるが,その結果バイトの如くその儘焼戻を施す場合とカッタの如く一旦燒鈍し,焼入を施す場合とではその後に行ふ焼戻法を次に示す如く多少異にすべきであることが判明した.
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