低周波音の最小可聴値を, 異なる照明環境で測定し, 聴覚と視覚の相互関連について調べた。測定に使用したのは照度5000lx, 800lx, の定常光, 照明がない0lx, 点滅速度5Hzの点滅光, それに暴露される音の周波数に同期した点滅光の5種類の照明環境である。その結果, 0lxにおける最小可聴値は, その他の照明における最小可聴値よりも大きい。これらの照明における低周波音に対する反応の特徴を調べるために, 15種類の評価語による心理評価実験を行い, その結果を主成分分析により解析した。それによると, 5種類の照明のもとでの低周波音は, 総合的な強さの成分と, 生理的感覚の強さを表す心理反応成分によってほぼ評価できる。これらの成分と最小可聴値には一定の関係が認められることが明らかになった。
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