道路交通騒音の透過音の周波数特性を, デジタルフィルタを用いて各種建築材料の音響透過損失に近似させ, その音色をSD法によって評価した。その結果, (1)
LAeqが高くなるほど, 迫力感, 変動感, 不快感が大きくなった。一方, かん高さの印象は
LAeqの影響を受けにくかった。
LAeqが等しい場合, かん高さの印象は, 原音の条件で最も強く, -5dB/oct. のフィルタで最も弱かった。音響透過損失の周波数特性は, かん高さの印象の違いに大きな影響を及ぼしていた。(2)因子分析の結果, 迫力・変動感因子, 金属性因子, 美的因子の3つの因子が見いだされた。(3)
LAeq,
LLz, 2kHz~4kHzのオクターブバンドレベルが高くなるほど, 不快感が強くなった。また, 原音と透過音の物理的指標の差とプロフィール得点の差の相関を見ると, 2kHz以上のオクターブバンドレベルが, かん高さの印象, 変動感及び不快感と関係していた。(4)音圧レベルと周波数特性両方の影響を考慮に入れた指標と不快感の関係を見ると, 不快感はSIL (500Hz~4kHzのオクターブバンドの算術平均値) で評価できた。
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