日本原子力学会 年会・大会予稿集
2011年秋の大会
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沸騰熱伝達
  • 2. 高温多軸疲労損傷機構の解明と損傷評価
    伊藤 隆基, 羽木 秀樹, 福元 謙一
    セッションID: O32
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    圧力容器・配管や熱交換器などをはじめ,ほとんどの構造材料は,単軸負荷より多軸負荷を受ける場合が多く,熱応力と機械的応力の重畳や複雑な負荷により応力・ひずみの主軸方向が時間的に変化する非比例負荷状態にあることが多い.これまでの多軸疲労の研究成果から,非比例負荷による著しい寿命低下が報告されており,その損傷メカニズムや寿命評価法が提案されている.しかし,これらの成果は対象材料を限定したもので,原子力構造材料に対しての適用性はまだ明らかにされていない.適切な寿命評価法の確立は,非比例多軸疲労という極めて過酷な条件下にある構造材料の強度的な安全性保証,高信頼性にとって必要不可欠である.本研究では,これらの課題の解決に向けての基礎研究として,多軸疲労研究の現状と課題について概説するとともに,実機負荷を模擬した非比例多軸負荷におけるMod.9Cr-1Mo鋼の基礎的な変形・破壊および寿命特性について報告する.
  • 3. マイクロキャラクタリゼーションを用いたオーステナイト系ステンレス鋼の劣化損傷評価技術の開発
    鈴木 隆之, 原田 祥久
    セッションID: O33
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    先進型高速炉の候補構造材料であるSUS316FR鋼の溶接材を対象に、マイクロキャラクタリゼーションを行った。磁束密度を計測したところ、クリープ損傷材及び未損傷材とも、溶接金属部で残留磁束密度が計測されるが、クリープ損傷材の方がその値が小さい。磁気力顕微鏡を用いたマイクロキャラクタリゼーションにより、未損傷材では磁性相である連結状のδ-フェライト相が観察された。一方、クリープ損傷材でもδ-フェライト相が観察されたが、その含有率は未損傷材よりも少なく、またその形態も孤立状であることがわかった。したがって、溶接材のクリープによる劣化損傷の進行は溶接金属のδ-フェライト相の形態、含有率と関係していること、したがってその形態や含有率を磁気力顕微鏡により計測することにより、劣化損傷の程度も明らかにすることができることがわかった。
  • 4. クリープ損傷シミュレーション・予測技術の開発
    中曽根 祐司
    セッションID: O34
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    本研究では、先進型高速炉の有力な構造材料の1つである改良9Cr鋼の溶接部周囲の微視組織をモデル化した多結晶体モデルを開発し、60年の長期使用を想定した改良9Cr鋼溶接材のクリープ解析およびそれに基づくクリープ寿命予測を行った。本研究で得られた主な結論は次の通り。1)溶接材内の静水圧応力の分布から、 細粒HAZ組織はType IV損傷の起点となるクリープ・ボイドを発生し易くしていることが明らかとなった。2)溶接部周囲の微視組織を模擬した多結晶体モデルのクリープ破断線図は実験で求められた線図とよく一致したが、微細HAZ部とその他の部分を等方性と考えた複合体モデルは危険側の推定を与える傾向があることが分かった。3)等方性複合体モデルのクリープ強度は多結晶体モデルのそれよりも高くなった。これは、前者では細粒HAZ部の応力がほぼ一様だったのに対して、後者では応力集中が顕著に起こったことが原因と推察された。
  • 5. 磁気特性計測による改良9Cr鋼の非破壊劣化損傷評価
    槌田 雄二
    セッションID: O35
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    本研究では、クリープ・疲労劣化損傷評価に適用可能な磁気センサ・計測技術を開発するため、独自に磁気センサを設計・製作し、非破壊劣化損傷評価システムの開発を行った。まず、改良9Cr鋼に対して静的引張損傷と動的疲労損傷を与え、各損傷材の磁気特性を計測した。その結果、鋼材の磁気特性をあらわす磁気履歴曲線(B-Hループ)が各損傷度合によって相関をもって変化することが分かり、改良9Cr鋼の損傷度合を磁気センサを用いて非破壊的に評価できる可能性を見出した。これに基づき、非破壊劣化損傷評価システムを製作し、高透磁率磁性コアであるアモルファスコアセンサを用いて計測した磁気信号と静的引張損傷度及び動的疲労損傷度との間に良い相関が得られ、製作した非破壊劣化損傷評価システムにより磁気変化量を計測することによって、改良9Cr鋼の劣化損傷進展を非破壊的に評価可能であることを明らかにした。
  • 6. FBGセンサによる歪み・温度モニタリング技術の開発
    小林 喬郎, 勝山 俊之, 猿田 晃一, 月森 和之
    セッションID: O36
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    光ファイバセンサは従来の電子センサと異なり、機器の歪みや振動、温度などの多点計測や空間的に連続した高速で高精度の計測が可能などの特長があり、原子炉配管等へ設置した基礎的な研究が行われてきた。本研究では代表的なFBG(Fiber Bragg Grating)方式ファイバセンサの限界を超す特性を実現して高速増殖炉や配管の神経網としての利用を可能とするため、まず超短パルスレーザを用いたFBGセンサの試作実験を行って600℃を超す高温動作を確認した。また、新規なOTDR(光時間領域)方式測定器を開発して、歪み率と温度を分離した高精度測定法の実験、センサ数の1000点以上への増大、1ms以下での高速測定、などを実現した。また、本FBGセンサへのγ線照射実験により高放射能環境での使用可能性を見出した。
  • 7. 二重管の検査・補修のための遠隔操作ロボットの開発
    浪花 智英, 川井 昌之, 坂根 宗賢
    セッションID: O37
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    将来の高速炉では、冷却系配管が2重化される予定である。2重管化に伴い、ナトリウム漏洩等に対する安全性は向上するが、2重管の内管に対する検査や小規模な補修は、困難なものとなることが予想される。また、検査時の環境温度200度、内管と外管の隙間(高さ) 150mm、装置の進入口の大きさを直径250mmの円形とすることが想定され、この条件下で、内管(直径約1000mm)の全周に渡り、検査/補修作業を行う手段はまだない。そこで本研究では、この条件下で、検査/補修装置を対象箇所まで誘導するロボットを開発する。特に本研究では、外管内側に小型のレールを敷設し、レール上を走行する台車を使用することにより、ロボット本体が内管に接することなく、検査/補修装置を対象箇所まで誘導する方法を採用する。本発表では、この手法の基本的な概念を示すとともに、本設計条件を満たすロボットの構造および部品構成について発表する。
高速炉・ADS
軽水炉事故
将来炉・革新炉
高速炉・宇宙炉
プラント技術
原子炉計測,計装システム,原子炉制御
高度センシング
伝熱・流動(エネルギー変換・輸送・貯蔵を含む)
音響・流動振動
地震時二相流
  • (1) 研究の概要と全体計画
    阿部 豊, 金子 暁子, 文字 秀明, 吉田 啓之, 高瀬 和之
    セッションID: P05
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    原子力発電所において,地震動による原子炉炉心の動特性評価や安全性に関わる機器や配管系などの安全性や機能保全は極めて重要な課題である.これまで多くの研究が行われてきたが,地震動が付加された場合において、機器内に気泡を含む二相流流動がどのように応答するかについての知見は必ずしも十分ではない. そこで本研究では,構造物に振動が付加された場合と流動に振動を加えた場合における気液二相流の挙動に関する実験を行ってデータベースを整備するとともに,加振時の二相流挙動を地震加速度付加時の気液二相流挙動をCFDによって詳細予測するための解析手法を開発整備することとした.本発表では,そのための研究概要と全体計画について述べる.
  • (2)流体加振実験装置の製作と画像処理予備計測
    瀬戸 優貴, 岡地 聡, 文字 秀明, 金子 暁子, 阿部 豊, 吉田 啓之, 高瀬 和之
    セッションID: P06
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    原子力発電所において,地震時における各機器の安全性の確保は極めて重要である。特に地震発生時における地震動による原子炉炉心や配管系などの構造の安全性評価は最も重要な要素の1つである.これまで多くの研究が行われてきたが,地震動が付加された場合における気泡を含む流動系の応答に関する知見は不十分だと考えられる. そこで本研究では,流体に振動が付加された場合に,気液二相流における各相の挙動を可視化計測し,流量変動による二相流挙動への影響を解明する.本報告では,円管内気泡流について,ピストンクランク機構を用いて流体に流量振動を付加し,内部の流れを高速度カメラで可視化観測を行うための実験装置の開発ならびに予備実験から得られた気相が振動から受ける影響について報告する.
  • (3) 構造物加振実験装置の製作と気泡挙動に関する予備実験結果
    水野 皓介, 金子 暁子, 文字 秀明, 阿部 豊, 吉田 啓之, 高瀬 和之
    セッションID: P07
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    原子力発電所において,地震時における各機器の安全性の確保は極めて重要である。特に地震発生時における地震動による原子炉炉心や配管系などの構造の安全性評価は最も重要な要素の1つである.これまで多くの研究が行われてきたが,地震動が付加された場合における気泡を含む流動系の応答に関する知見は不十分だと考えられる. そこで本研究では,構造物に振動が付加された際の,気液二相流における各相の挙動を可視化することで,振動付加による二相流挙動への影響を解明することを目的とする.本報告では,円管内気泡流について,振動台により円管に振動を付加し,内部の流れを高速度カメラで可視化観測を行うための実験についての開発ならびに予備実験から得られた気液各相が振動から受ける影響について報告する.
  • (4) 地震加速度付加時詳細二相流解析手法の開発
    吉田 啓之, 永武 拓, 高瀬 和之, 文字 秀明, 金子 暁子, 阿部 豊
    セッションID: P08
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    地震加速度付加時の二相流挙動を詳細に評価できる解析手法構築のため、詳細実験によるデータベースを取得するとともに、詳細二相流解析コードTPFITをもとに解析手法の開発を実施している。本報では、開発した解析手法の概要と予備解析の結果を示す。
伝熱管破損
  • (6)高温NaOH噴射基礎実験による減肉評価
    栗原 成計, 梅田 良太, 菊地 晋, 大島 宏之
    セッションID: P09
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    高速炉蒸気発生器(SG)では,万一伝熱管が破損した場合,伝熱管内を流れる高圧の水/蒸気が低圧のナトリウム(Na)側へ漏えいする.Naと水とは化学活性が強く,発熱を伴うため,Na中に高温,浸食性の強い反応ジェットが形成される(Na-水反応).この強浸食性の反応ジェットに曝される隣接伝熱管は局所的な減肉作用により損傷し,SG内での影響範囲が拡大する可能性がある. 本研究では,隣接伝熱管のウェステージ現象解明を目的として,Na-水反応時の主要反応生成物である高温の水酸化ナトリウム(NaOH)を伝熱管材料に衝突させ,ウェステージ環境因子の影響を独立に評価可能な実験手法を開発した.本実験手法によりNaOH中静的腐食実験およびNaOH衝突実験で把握した減肉速度に対する温度や速度の依存性について報告する.
  • (7)熱分析試験による化学反応速度定数の評価(第二報)
    菊地 晋, 栗原 成計, 大島 宏之
    セッションID: P10
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    ナトリウム冷却高速炉の蒸気発生器伝熱管破損事象評価に必要なナトリウム-水反応の支配的な総括反応式を導出するために、Na-NaOH反応を対象とした熱分析試験を実施し、Na2Oの生成に係る反応速度定数を算出した。また、Na:NaOH(体積分率)による当該反応速度定数への影響を評価した。
  • (8)ナトリウム―水反応におけるセルフウェステージ現象の評価手法の開発
    大西 裕季, 高田 孝, 山口 彰, 大島 宏之, 栗原 成計, 菊地 晋, 内堀 昭寛
    セッションID: P11
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    セルフウェステージは、蒸気発生器伝熱管に発生した微小亀裂からの高圧水蒸気の漏えいによるナトリウム-水反応によって亀裂が進展する現象である。本研究では、多次元ナトリウム‐水反応解析コードSERAPHIMを用いたウェステージ現象の数値解析手法の構築ならびにナトリウム-水反応の微小亀裂での数値解析結果について報告する。
  • (9)高速回転円盤を用いたLDI試験とその評価
    クーチョンウェン ウィリアム, 吉田 篤郎, 奈良林 直, 大島 宏之, 栗原 成計, 辻 雅司
    セッションID: P12
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    高速回転円盤エロージョン試験装置を用いて、試験片金属表面に液滴衝撃エロージョンを発生させ、種々の実験条件における減肉速度の定量的評価を行った。 この試験結果を基にFBRのSGの伝熱管破損時の隣接伝熱管への蒸気噴流によるウエステージ現象について液滴衝撃エロージョンの評価を行った。
  • (10)細管亀裂開口からの高圧蒸気ジェット噴流測定
    吉田 篤郎, クーチョンウェン ウイリアム, 奈良林 直, 大島 宏之, 栗原 成計, 辻 雅司
    セッションID: P13
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    本研究はNa-水反応現象中に起こりうるウェステージ現象の内,エロージョン現象に着目し,破損した伝熱管開口部から隣接する伝熱管へのジェット噴流による圧力分布を測定した結果について述べる。
液体金属熱流動
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