日本原子力学会 年会・大会予稿集
2011年秋の大会
選択された号の論文の835件中51~100を表示しています
中性子捕獲断面積測定
中高エネルギー核反応
TTY測定・ガンマ線入射反応
代理反応・核分裂
放射線挙動,遮蔽工学
放射線場測定,解析
  • 波戸 芳仁, 平山 英夫
    セッションID: J29
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    福島第一原子力発電所からKEKに飛来した放射能による、核種別の表面放射能密度と空間線量率を測定した。また、単位表面放射能密度あたりの空間線量率を核種別にEGS5で計算し、これに表面放射能密度を乗ずることで、空間線量率の評価値を得た。空間線量率の実測値と評価値はファクター2以内で一致した。なお、計算の過程で明らかになった、空間線量率の高さ依存や、放射能が土壌中に存在する場合の評価などについても述べる。
  • 鎌田 創, 高田 真志
    セッションID: J30
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    緊急被ばく医療においては、患者の被ばく線量評価が重要である。原子炉での被ばく事故はもとより高エネルギー加速器施設での被ばく事故での線量評価手法の開発が喫緊の課題である。特に、中性子とガンマ線の混在場においてガンマ線の線量評価手法は現在も定まっていない。波形弁別法は、有機液体シンチレータを用いた測定で中性子とガンマ線の弁別に有効であった。有機液体シンチレータではガンマ線のエネルギー決定精度が悪いのが難点であった。そこで我々は測定手法にTOF法および波形弁別法を適用し、検出器にはNaI(Tl)を用いたガンマ線測定を行った。今回はサイクロトロンを用いた高エネルギー中性子場における測定について報告する。
  • 菊地 賢司, 川合 將義, 初川 雄一, 原田 正英, Bolind Alan, 車田 亮, 菱沼 行男, 小林 孝裕
    セッションID: J31
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    供用(1995-2005年)が終了したKENSターゲット下流縁部の遮蔽用コンクリートの放射能測定、コンクリート成分の化学分析、放射化計算をPHITS+DCHAIN-SPにより行った結果、放射化はバックグランド以下であった。
  • 浅野 芳裕, 備前 輝彦
    セッションID: J32
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    現在整備中のXFEL施設では挿入装置に真空封止型アンジュレータを用いており、放射線損傷である減磁をできるだけ防止する必要がある。一方、加速器調整のためにOTRを挿入することによって挿入装置磁石は高速電子の暴露を避けられない。そのために生じる減磁量をFLUKA計算と実験を比較することによって推定した。
  • 助川 篤彦, 川崎 弘光, 奥野 功一
    セッションID: J33
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    設計検討中の超伝導トカマク装置(JT-60SA)の中性子発生量は、高性能プラズマ生成に伴い臨界プラズマ試験装置(JT-60U)の年間発生量で約50倍増加を想定している。JT-60SA装置は、建家を含む既存設備を最大限利用することから、JT-60SA装置で再利用する設備の放射線環境に対する動作の健全性を評価することが必要不可欠である。トカマク装置(JT-60UとJT-60SA)および追加遮へい構造物を含む建家内の放射線環境について、3次元モンテカルロ計算コードによる中性子とガンマ線輸送解析を実施し、装置毎の建家内放射線環境の比較評価を行った。JT-60Uの運用実績に基づき、JT-60SA装置および再利用設備の運用に関する健全性の判断に必要な放射線環境に関する知見を得た。
放射線物理,放射線計測
中性子検出器・計測
  • 高田 真志, 鎌田 創, 布宮 智也, 安部 繁, 石倉 剛, 松本 哲郎, 増田 明彦, 原野 英樹, 中村 尚司
    セッションID: J01
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    リアルタイム中性子個人被ばく線量計は、現在、原子力施設などで幅広く利用されている。その応答関数は、高速中性子ではまだ十分に評価されていない部分がある。これを解明することで、リアルタイム線量計の高エネルギー中性子場へ応用できる。これまでシリコン半導体素子では、荷電粒子に対してファンネリング現象が生じ、これが素子で検出されるエネルギー量が大きくなることを分かった。このエネルギー付与のモデルと、さらに本研究で改善したモデルを用いることで、これまでのモデルでは、シュミレーション出来なかった高速中性子に対する応答特性を全く再現することが出来なかった。しかし、本研究でのモデルを用いることで、この応答特性を再現することができた。これらの応答特性取得の実験は、絶対量が高精度に評価されている産総研の単色中性子ビームを用い、シュミレーションは中性子、荷電粒子を輸送できるMCNPXコードを用いた。
  • 大塚 準平, 瓜谷 章, 渡辺 賢一, 山崎 淳
    セッションID: J02
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    比較的平坦な応答を有する検出器としてロングカウンターというものがありますが、ポリエチレン減速材の材料を中性子増倍を起こすような材料を使用することと熱中性子検出器に位置敏感型比例計数管を使うことで各位置の検出効率に補正を加え、平坦化をおこないます。
  • 石原 康平, 高木 恵輔, 河原林 順, 富田 英生, 中 竜大, 浅田 貴志, 森島 邦博, 中村 光廣, 前田 茂貴, 井口 哲夫
    セッションID: J03
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    原子炉燃料の取扱・貯蔵設備では、使用済み核燃料の燃焼履歴に基づく中性子発生量・輸送の計算に基づき管理されているが、中性子の直接測定が可能となれば、より安全かつ効率的な燃料の取り扱いが期待できる。しかしながら、近年の高燃焼度の使用済み燃料では核分裂生成物に起因するγ線の線量が高いため、従来技術による中性子の高精度な測定は容易でない。本研究では、この困難を克服する手段として、原子核乾板を用いた高γ線下での中性子精密測定法の開発を行っている。今回は、新型原子核乾板 NGITA(Neutron-Gamma Image TrAcker)について、検出感度曲線(阻止能と銀粒子密度の関係)を実験的に求めるとともに、乾板飛跡応答シミュレーション計算モデルを構築し、これらをもとにAgBr結晶粒径によるγ線感度抑制の可能性を検討した。
  • 松本 哲郎, 原野 英樹, 増田 明彦, 堀 順一, 高田 真志, 鎌田 創
    セッションID: J04
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    これまで、中性子検出器の感度校正には、主に単色中性子が利用されてきたが、そのエネルギー間については計算による補間が必要であった。そこで、本研究では京大炉電子ライナックと光核中性子源による白色中性子を利用してTOF法と組み合わせることにより広エネルギー範囲の応答を実験によって連続的にかつ一度に取得する方法を開発している。今回の発表では、京大炉光核反応中性子源からの全エネルギー領域の中性子スペクトルとフルエンスをTOF法及びボナー球によるアンフォールディング法により測定したので、報告する。
  • 増田 明彦, 松本 哲郎, 原野 英樹, 萩原 雅之, 海野 泰裕, 西山 潤, 佐波 俊哉, 志風 義明, 谷村 嘉彦, 馬場 護, 鎌田 ...
    セッションID: J05
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    会議録・要旨集 フリー
    20 MeV以上の高エネルギー中性子に対する検出器の応答を評価するための校正場として,7Li(p,n)反応による90 MeVまでの準単色中性子場の開発が行われている。このような高エネルギー準単色中性子場では,高エネルギーピーク以外に存在する,低エネルギー領域まで続く連続成分のスペクトラルフルエンスを正確に評価しておくことが必要である。その連続成分のうち数MeV以下のエネルギー領域ではTOF測定による評価が困難なので,この領域に対するボナー球スペクトロメータを用いたスペクトル評価を原子力機構TIARAおよび東北大CYRICの準単色高エネルギー中性子施設において行った。
  • 坂佐井 馨, 中村 龍也, 藤 健太郎, 盛合 敦, 曽山 和彦, Nigel Rhodes, Erik Schooneveld
    セッションID: J06
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    開発した小型1次元検出器を用いて中性子散乱実験を行ったのでその結果について報告する。
  • 坂本 知佳, 富田 英生, 園田 哲, 高塚 卓旦, 能任 琢真, 伊藤 主税, 前田 茂貴, 井口 哲夫, 和田 道治, Klaus We ...
    セッションID: J07
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    長期運用された原子炉における圧力容器の寿命や放射化量評価のために行われる中性子ドシメトリには、長半減期核種ドシメータの適用が期待されている。特に、93Nb(n,n’)93mNbは反応閾エネルギーが30keVで、93mNbの半減期が16年と長いため、積算中性子ドシメトリで用いる核反応として着目されているが、軟X線スペクトロスコピーによる定量では不純物等からの影響により十分な分析確度が得られないといった問題がある。そこで、本研究では、共鳴イオン化質量分析に基づく93mNb微量分析法の開発を進めている。核異性体による(原子の)エネルギー準位の超微細分裂を区別するために、ドップラー拡がりを抑制したガスジェット原子源と狭帯域な高繰り返し率注入同期チタンサファイアレーザーを組み合わせた体系を提案し、モデル計算を基に核異性体選択性を評価した。
シンチレーション検出器
  • Mohamed Omer, Mahmoud Bakr, Ryota Kinjo, Y.W. Choi, Kyohei Yoshida, Na ...
    セッションID: J08
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    会議録・要旨集 フリー
    We developed detection system based on LaBr3(Ce) scintillators. The system consisted of 1.5øx3" LaBr3(Ce) detector, 3.5øx4" LaBr3(Ce) detector and 110% Ge detector. The system was tested with top energy of 2.2 MeV quasi-monochromatic gamma-ray beam from the Laser Compton Backscattering (LCBS) at AIST. We could clearly detect the NRF excitation level from 11B at 2.12 Mev.
  • 嶋岡 毅紘, 金子 純一, 坪田 陽一, 樋口 幹雄, 西山 修輔, 石橋 浩, 藤田 文行
    セッションID: J09
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    中性子散乱実験やホームランドセキュリティから3Heを代替する中性子検出器が求められており、1候補としてGd系シンチレータがある。既存のGSOシンチレータでは発光量が低く、γ線感度が高いため中性子によって発生する内部転換電子を十分なS/Nで測定する事は難しい。本研究ではGd2Si2O7:Ce(GPS:Ce)を用いて核分裂中性子、ならびに低エネルギー光子の応答測定を行った。TSSG法によって合成したCe濃度の異なるGPSを使用した。252Cfを用いた核分裂中性子の応答でGPS:Ce2.5%はGSOの3倍の発光量を記録した。241Am γ線源を用いた低エネルギー光子に対する応答測定では14keV特性X線によるピークを確認した。潮解性も無く取扱容易で自己放射能の無い酸化物シンチレータで10keV程度のエネルギー光子測定が可能となったことにより加速器実験などで新しい用途も期待できる。
  • 坪田 陽一, 金子 純一, 樋口 幹雄, 嶋岡 毅紘, 西山 修輔, 石橋 浩之, 藤田 文行
    セッションID: J10
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    大発光量, 非潮解性などSPECT用シンチレータとして実用化が待たれるGd2Si2O7:Ce (GPS:Ce)の単結晶をTop Seeded Solution Growth(TSSG)法により合成した. 出発原料中のSiO2の比率を量論組成より1~2% 過多とし、高温度勾配の炉内構成のもと、単相のGPS単結晶を得た. Ce濃度増加に伴い、相図上の包晶点がSiO2 -リッチ側にずれることを確認した。Ce濃度2.5at.%の斜方晶GPSは137Csからの662keV γ線に対して、BGO比4.4倍の発光量、4.6%の高エネルギー分解能を示した。Ce濃度10 at.%の三斜晶GPSはBGO比3.6倍の発光量, 5.2%のエネルギー分解能を示した. Ce15 at.%の三斜晶GPSはBGO比2.7倍の発光量を示したがエネルギー分解能は9.9%であった。Ce濃度10、15%の三斜晶GPSは発光量において斜方晶GPS:Ceに劣るが減衰時間が54-57nsと高速であった。
  • 嶋岡 毅紘, 金子 純一, 坪田 陽一, 樋口 幹雄, 西山 修輔, 藤田 文行, 井崎 賢二
    セッションID: J11
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
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    Pu取扱施設における汚染管理ではPuからの5.5MeV前後のα線の検出が重要である。この測定ではRn子孫核種からの7.7MeVを中心としたα線やγ線がバックグラウンドとなり、検出器にはα線に対するエネルギー弁別性能とγ線の影響低減が要求される。これまで半導体検出器の耐久性の問題を改善するために開発されてきたダストモニタ用のZnS薄膜ではエネルギー分解能に問題があった。本研究ではGd2Si2O7シンチレータの高エネルギー分解能に着目し、その粉末を用いて厚さ100μmのシンチレータプレートを作製、評価を行った。粒径を100~数百μm程度に制御することで241Am(5.5MeV α線源)に対する応答ではエネルギー分解能8%台を記録し、光電子増倍管における集光強度は単結晶とほぼ同程度のものとなった。また、137Cs(662keV γ線源)による応答測定の結果、γ線の影響を低減できることを確認した。
  • 栗原 正和, 安宗 貴志, 石橋 健二, 前畑 京介, 吉川 彰, 梅野 高裕
    セッションID: J12
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    会議録・要旨集 フリー
    無機シンチレータであるYAP:Yb結晶を室温から極低温までにおいてシンチレーション特性の測定を行った。
光子・荷電粒子計測
微弱放射線計測
  • 西井 努, 寺尾 憲親, ハオ リジュアン, 中村 昌平, ヌル アイダ, 石橋 健二
    セッションID: J19
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    会議録・要旨集 フリー
    当グループは、電気化学的ニュートリノ検出器が主に自然ニュートリノと反応している可能性があることを報告してきた。この検出器からの出力は太陽ニュートリノの影響を受けることが想定される。検出器の出力と太陽活動の相関を調べたところ、これらの間に因果関係があることが示唆された。
  • (13) 課電水イオンとの関係
    熊澤 孝夫, 谷口 良一
    セッションID: J20
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    会議録・要旨集 フリー
    電力ケーブルの絶縁破壊を引き起こす水トリーの発生に伴う微弱な放射線の測定をおこなっている。実験は、低バックグランドの環境中で、架橋ポリエチレン電極を溶液に浸し、交流の高電圧を課電し、周囲に放射線検出器(中性子、低エネルギーX線、高エネルギーγ線)を配置して行う。これまでの結果では、ポリエチレン電極中の水トリーの発生と放射線の間に関係が認められたが、放射線が水トリーを発生したのか、水トリーの発生が放射線を誘発したのかは明らかではなかった。今回、溶液中のイオンの種類と濃度を変化させ、放射線計数値との関係を調査した。その結果、X/γ線に関しては、イオン種、濃度との関係が認められたので報告したい。
  • (14) バックグランド変動の評価
    谷口 良一, 熊澤 孝夫
    セッションID: J21
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    会議録・要旨集 フリー
    前回の報告のように、電力ケーブルの絶縁破壊を引き起こす水トリーの発生実験中にNaIシンチレータの測定値が、時間単位で、ゆっくりと変化する現象が観測された。具体的には、早朝から夕方に計数が増加し、夜減少する現象である。スペクトルを見る限り、自然界に存在するラドンの娘核種であるPb214とBi214の変化と見て矛盾しない。計数の変化量は最大で、3.0±0.5%の変動であった。今回、同じ体系でバックグランドおよび、高電圧印加を伴うバックグランドの長期間測定を行った。結果は、前者の日変化が-0.7±0.7%、後者が0.2±0.5%となり、変化は観測されなかった。この結果から判断すると、前回観測された変動は、水トリー課電実験に由来するものと考えられる。
半導体検出器・低温動作型検出器
  • 人見 啓太朗, 多田 勉, 金 聖潤, 呉 艶, 山? 浩道, 石井 慶造
    セッションID: J22
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    会議録・要旨集 フリー
    Capacitive Frisch Gridを持つTlBr半導体ガンマ線検出器の開発を行った。TlBr結晶の育成を行い、結晶の切り出し、研磨、電極形成を行い素子を製作した。結晶サイズ2 mm x 2 mm x 4.4 mmのCapacitive Frisch Grid型TlBr検出器は室温において662 keVのガンマ線に対して2.9%のエネルギー分解能を示した。
  • 島添 健次, 織田 忠, 高橋 浩之
    セッションID: J23
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    会議録・要旨集 フリー
    本研究においてはピクセルサイズ2mm x 2mmx 1mmtの64チャネルピクセル検出器の試作を行った。その読み出し方式として従来のPHA(Pulse Height Analysis)を用いた方式とdynamic ToT (Time Over Threshold)方式を用いた信号読み出しをおこないその比較を行った。従来のToT方式では入力電荷と出力パルス幅の関係がLinearでない問題があったがDynamic ToT方式を用いることで直線性を確保することが可能である。またdynamic ToT方式では1ビットの信号ラインでの読み出しを行うためピクセル検出器からの個別信号読み出しに適している。
  • 今野 雄太, 金子 純一, 佐竹 良太, 後藤 拓人, 西 紀彦, 藤田 文行, 渡邊 幸志, 茶谷原 昭義, 梅沢 仁, 坪内 信輝, 鹿 ...
    セッションID: J24
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    会議録・要旨集 フリー
    人工ダイヤモンド放射線検出器は、核融合プラズマ診断用エネルギースペクトロメーターとして期待されている。エネルギースペクトロメータグレードのダイヤモンド単結晶は単結晶ダイヤモンドの(001)面上に化学気相合成法によりホモエピタキシャル成長させることが多い。本研究においては残留応力割れを防ぐために高圧高温合成_II_a型ダイヤモンドを基板とし、異常成長抑制のために(001)面を<110>方向に3度傾けオフ角を付けたところ、二つの問題はほぼ解決した。α線による誘導電荷量測定を行い、電荷収集効率及びμτ積の測定をした。測定結果の一例として、印加電圧80Vにて正孔と電荷の電荷収集効率はそれぞれ83.3%、75.3%、エネルギー分解能は0.6%、4.8%、正孔のμτ積は2.7×10-6cm2/Vとなった。今後は、電子に対する電荷捕獲を低減するために残留ガスの低減や合成条件の最適化を進める必要がある。
  • 多田 勉, 人見 啓太朗, 金 聖潤, 呉 艶, 山? 浩道, 石井 慶造
    セッションID: J25
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    会議録・要旨集 フリー
    TlBrは原子番号がCdTeに比べて高く,高エネルギーのX線やガンマ線の検出器材料として期待され,検出器特性の向上に関する研究が行われている。従来TlBr検出器からの出力波形は複数のアナログ回路を用いて処理が行われているが、その処理の自由度には限界がある。そこで本研究では、検出器からの出力波形をデジタイザによりデジタル変換し、計算機上での数値演算により処理を行う実験系を構築し、検出器特性の向上と評価を行った。0.5mm厚のプレーナー型TlBr検出器を用い、その出力波形の形状よりガンマ線の相互作用深さを求め、深さ補正を行うことにより662keV のガンマ線に対して2.7%のエネルギー分解能を得た。また、その得られた深さ情報を利用し、TlBr結晶のキャリア移動度の評価を行った。
  • 黒石 香苗, 人見 啓太朗, 多田 勉, 呉 艶, 金 聖潤, 山? 浩道, 石井 慶造
    セッションID: J26
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    会議録・要旨集 フリー
    臭化タリウム(TlBr)は原子番号及び密度が高く,高エネルギーのγ線に対して高い検出効率を示す化合物半導体である.TlBrの純化は一般に帯域精製法によって行われるが,帯域精製法では除去が難しい不純物元素が存在するため,本研究では真空蒸留法を試みている.今回,さらに蒸留の効率を高めるために装置の開発を行った.
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