本研究の目的は、有機的建築家フーゴー・ヘーリングの住宅作品について、彼の建築理論にある有機的統一性に基づいた、特有の空間やしくみの構成を明らかにするものである。ヘーリングの住宅作品のほぼすべてを収集し、図面やパース、写真からAmbiguity-space (A-space)やConservatory space (C-space)、緑化装置の抽出を行った。それらのデータを分類、分析し、各空間の特質を発見した。その結果、A-spaceは有機的統一性の核をなしており、そしてさらに、その他の空間と緑化装置は有機的建築の成り立ちを助けていることが示された。