高齢社会を迎えて,病院待合室における適切なロビーチェアの設置が求められている。そこで,本研究の目的は,青年と高齢昔の双方にとって適切なロビーチェアの形状寸法を求めることである。この場合,椅子への着座と立ち上がり動作の両方を同時に考慮する。立ち上がり時には,肘掛けの有る場合と無い場合について実験を行った。オリジナルに作成した実験椅子を用いて実験を行った被験者は,青年と高齢者それぞれ5人である。実験条件は,座角,凭角および座面高を組み合わせた120通りである。着座時には,青年と高齢者共通の適切な条件が見いだされた。これは,小原や花岡の提案とほぽ一致した。立ち上がり時では,肘掛けのない場合には,高齢者と青年とは評価は一致しなかった。肘掛けのある場合には,高齢者は座面高が低い場合に高く評価し,青年は相対的に高い場合を高く評価したこれらをまとめて,青年と高齢者に共通して,着座時と立ち上がり時(肘掛け使用)に評価の高い条件として,高さレべル315m(座面高 369mm),座角6°,凭角18°(背座角102°)が得られた。
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