空気とくに空気質について環境工学の立場から述べた。室内環境中で粒子状物質は大気に比し大粒径で,繊維状のものも多く,カビ,ダニなどの微生物,多環芳香族炭化水素も間題になる。ガス状汚染質では一酸化炭素,二酸化炭素,窒素酸化物,オゾン等のほか,近年では,化学物質の多用と高気密化の結果,建材由来の揮発性有機化合物とくにホルムアルデヒドや芳香族炭化水素,可塑剤のほか,防蟻剤,防虫剤などが環境工学上も制御対象汚染物質として挙げられる。我が国の室内環境汚染レべルは新築住宅のみならず,一般に揮発性有機化合物,ホルムアルデヒドが高い。一方,外気としての都市大気も清浄空気とは見なせない場合も少なくない。空気と空気中における有害ガスや粒子状化合物の物性や挙動についても触れた。
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