超音波法は,成人における内臓脂肪蓄積の指標として臨床現場おいて用いられているが,小児期については十分に検討されていない.そこで,本研究は,幼児期における超音波法と様々な人体計測指標との関係性を明らかにすることを目的とした.3歳から6歳までの幼児408名(男児199名,女児209名)を対象に人体計測,身体組成,腹部体脂肪分布が評価された.被験者は,性別,年齢別に分類され,さらにBMI%ileによって,体型別に3群に分割された.腹部体脂肪分布(腹膜前脂肪厚,Pmax,腹壁皮下脂肪厚,Smin)は超音波(ALOKA,SSD-500)によって測定された.結果,男女児ともに,体脂肪蓄積指標とPmaxおよびSminは有意な相関関係を示した:body mass index(p<0.001),体脂肪率(p<0.001).さらに,>BMI75%ileの幼児のPmaxとSminは,<BMI25%ileやBMI25-75%ileの幼児よりも有意に高い値を示し,これらのことは,小児期早期から過体重により内臓脂肪蓄積が始まる可能性が示された.
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