本論文は,寒冷地の戸建て住宅を取り上げ,改修・新築の側面から見た道程を分析することによって,省エネルギー・環境保全に配慮した住宅の展開を図ることを目的としたものである.まず,北海道内で住宅の設備改修・新築を希望する二世帯のエネルギー消費量の診断を行うとともに,地下熱を利用した暖冷房・給湯システムの採用を提案した,次いで,長期にわたる稼働状況のモニタリングを実施した結果,ヒートポンプ暖房の期間成績係数,冷房時エネルギー使用効率はそれぞれ2.8,5.4であり,長期的な利用が可能であることを示した.さらに,従来方式に対する暖房の一次エネルギー削減率が15〜18%となることを明らかにするとともに,導入効果をさらに向上させるための改善方策の一例を提示した.
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