経営情報学会誌
Online ISSN : 2435-2209
Print ISSN : 0918-7324
22 巻, 2 号
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論文
  • 坂巻 英一
    2013 年22 巻2 号 p. 73-94
    発行日: 2013/09/15
    公開日: 2025/04/01
    ジャーナル フリー

    国民一人が一台の割合で携帯電話を保有するなか,携帯電話市場はすでに飽和状態にあり,今後,市場の拡大を見込むことは難しいのが現状である.こうしたなか,携帯電話会社各社は優良顧客に対して大幅な割引料金を設定するなど,顧客の流出を防止し既存顧客を囲い込むことに躍起になっている.こうした顧客の囲い込みにはデモグラフィックデータ,および,トランザクションデータを基に構築される解約予測モデルが広く利用されている.一方,携帯電話会社各社は個人情報保護法等の範囲内でほかにもさまざまなデータを使用することが可能であるが,データを保管できるコンピュータリソースが限られているなどの理由で,まだ十分に活用しきれていない情報が大量に存在するのもまた事実である.本研究ではこうした携帯電話会社が利用可能なさまざまなデータのうち,携帯ユーザが検索エンジンへ入力した検索語句に注目し,検索語句を活用した携帯ユーザの解約行動予測モデル構築法を提案することを目的とする.

研究ノート
  • 井沢 祐介, 三川 健太, 後藤 正幸
    2013 年22 巻2 号 p. 95-106
    発行日: 2013/09/15
    公開日: 2025/04/01
    ジャーナル フリー

    従来,一般的な推薦システムに関する研究では,モデルの性能はベンチマークデータを用いて評価されていることが多い.このような方法では,実際の状況を再現した評価が難しいことも多い.そのため,エージェントベースシミュレーション(以下,ABS)によって,協調フィルタリングの性質を調べようとする研究がなされている.しかしながら,これらの研究はメモリベース型の協調フィルタリング(以下,CF)に限定されていた.一方,近年では潜在変数モデルを用いたモデルベース型CFが提案されており,その性質を調べることも大きな意義がある.そこで本研究では,ABSの技法を用い,モデルベースCFの一手法であるFlexible Mixture Model(FMM)の性能評価を行う.具体的には,初期段階の立ち上がりの速さ,設定する潜在クラス数による予測精度の変化,モデルの再構築タイミングの違いについて,FMMを用いた市場モデルと推薦モデルを構築し,ABSを用いてFMMの性能を検討した.その結果,システム構築初期の性能が比較的高いこと,潜在クラス数が多いモデルを用いた場合に予測性能が高いこと,毎期の再学習をしなくてもある程度の性能が保たれることが明らかとなった.

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