経営情報学会誌
Online ISSN : 2435-2209
Print ISSN : 0918-7324
4 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
論文
  • 飯島 淳一
    1995 年4 巻1 号 p. 1-18
    発行日: 1995年
    公開日: 2025/04/01
    ジャーナル フリー

    意思決定支援システムにおける「支援」に注目して,特に「問題構造の認識」フェーズにおける支援を取り上げる。GSSアプローチにもとづいて,プロセスシステムが直列分解できる必要十分条件を求め,それを定理として証明する。さらに,与えられたプロセスシステムを直列分解するアルゴリズムを構成する。また,簡単な例題を用いて,その意味について例示する。これにより,与えられた問題に関わる変数間の関係を複数の部分システムの直列結合として,明示的に捉えることができる。

  • 小方 孝, 渡辺 光一, 堀 浩一, 大須賀 節雄
    1995 年4 巻1 号 p. 19-42
    発行日: 1995年
    公開日: 2025/04/01
    ジャーナル フリー

    筆者らは、人工知能技術に基づく物語生成システムの開発とその応用に関する研究を行って来たが、応用の一領域として、マーケテイング過程と広告創作過程を一貫して支援するシステム(これをマーケティング/広告統合支援システム、MAISSと呼ぶ)の枠組みへの物語生成の導入を試みている。MAISSに物語生成機構を組み込む基本的方法論を開発し実験を行ったので、その内容を本稿にまとめる。MAISSは、マーケティングと広告創作の現状分析に基づく種々の問題を解決するために構想された枠組みであり、ターグットセグメントと商品を入力としてそれを事象化した有効生活シーンを生成し、さらにこれを物語形式に展開することによってマーケター及び広告クリエイターの作業を支援しようとするものである。現在、全体の基本設計が済み物語生成部分を中心にインプリメントが行われている。物語生成は、本構造として表現される物語を拡張ないしは変形するためのモジュール型手続きとしての物語技法と、その使用を制御するルール集合としての物語戦略という二つの概念に基づいて行われる。MAISSでの利用においては、まず上述の有効生活シーンを構成するセグメントのプロフイールや商品の属性を記述した上で、この事象を現実生活の一断面を表現する複数の事象の連鎖として展開し(提案生活シーン)、次にこの提案生活シーンにおける事象連鎖をもとにそれを物語的な構造に脚色する(創作シーン)。このような方法に基づく試作システムを開発し、物語生成実験を行い、さらに現場のマーケター及びクリエイターと議論を行った。その結果、システムの有効性が確認され、将来的に実用を想定したより本格的な実験が日程に上っている。

  • 高橋 真吾, 中野 文平, 荒瀬 雅子
    1995 年4 巻1 号 p. 43-56
    発行日: 1995年
    公開日: 2025/04/01
    ジャーナル フリー

    複数の主体が関与する問題状況では、各主体の問題状況に対する認知が異なっているのが普通である。認知の相違からくるコンフリクトを解消するために各主体の認知を改善していくことが望ましい。本論では、このような問題状況をソフトシステムズアプローチのひとつであるハイパーゲームの枠組みにより記述し、主体間の認知の相違を利得行列の差異として表現する。さらにゲームを繰り返すことで、各主体が利得行列を改善し状況に適応していく過程を遺伝的アルゴリズムを用いて分析する。特に各主体が利用できる限られた情報をどのように活用すれば状況に適応する方向へ認知を改善できるのかを検討する。本論で得られた結果として、行列を学習するために利用する情報は、状況に適応している行列ならば得られるであろう利得と実際に得られた利得との差だけではなく、ナッシュ解の個数などの行列の形に関する性質も必要である。

  • Anitesh BARUA, C. H. Sophie LEE, 渡部 和雄, Andrew B. WHINSTON
    1995 年4 巻1 号 p. 57-77
    発行日: 1995年
    公開日: 2025/04/01
    ジャーナル フリー

    企業などのビジネス組織は競争の激化などに対処するため、組織改革や情報技術(IT)導入によるリエンジニアリングヘの投資を行ってきた。しかし、今までのところ十分な成果が得られたところは少ない。そこで、本論文では、ITによって可能となったリエンジエアリングと改善を評価する解析的な価値モデルを展開する。このモデルはITと組織の様々な変数の間の相補性の概念にもとづいており、新しいITへの投資と組織改革を管理するための数量的な意味付けを得るために、ラティス理論とスーパーモデュラー関数の最適化を使っている。この相補性の理論の基本的な前提は、組織の利得は技術やインセンティブ、組織構造などのいくつかの要素が同時に「正しい」方向に「理想的な」構成に向かって改革されたときに最大となる、というものである。ここで提案するスーパーモデュラー関数の最適化のためのビジネス価値の枠組みによって、管理者がリエンジエアリングや改善を評価するためのより具体的なモデルが得られる。

feedback
Top