実験社会心理学研究
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17 巻 , 1 号
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  • 大坊 郁夫
    17 巻 (1977 - 1978) 1 号 p. 1-13
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    2人間コミュニケーション事態における言語活動性の構造を, 2人間の接触の進行過程において, 時系列的な諸々の指標および性格特性との関連において検討するのがこの報告の目的である。
    MASによって規定される高・中・低不安者群の3群それぞれ24名計72名の女子学生を被験者とし, 非対面場面において, すべての2人組み合せ計6通りを構成し, 会話実験を行なった。24分間1セッションを日を変え, 4セッション実施したうち, 接触の初頭 (セッション1) と接触の最も進行したセッション4の記録を分析した。
    時系列的指標としては, 時系列的に1次の4種の状態 (同時沈黙, 同時発言, 一方の単独発言および相手の単独発言) を基本とし, 3次状態までを含め, さらに, 個体の単独発言と2人同時発言状態の頻度の和とその合計時間を加えた。あわせて, 個体のMAS, MPIのE, N得点, および2人間の得点差を指標値とし, 合計36指標を用い, 因子分析, クラスター分析を施した。
    言語活動性の因子的構造としては, 両セッション共通に, 2人同時・共同的な一般活動性, 会話中断による非流暢一流暢性, 個体の一般的活動性, 相手の活動性の因子が得られた。セッション4では, 因子構成の指標に若干の変化のあること, さらに, 沈黙後発言因子が明瞭に独立していることが知られた。また, 性格特性因子は, 時系列的指標群と独立して抽出された。
    指標間の関連から, 個体の発言活動は, 二重の側面を有しており, 個体の一般的活動性では接触の進行に伴ない正の相関度が減少し, 負の相関さえ示すに至るが, 沈黙後発言の指標では正の相関が保持されている。この点に関しては, 正の同調傾向のみならず, 負の同調傾向の存在が認められた。
    これらの結果から, 標準面接場面に比べ, 事前の役割規定のない2人間コミュニケーションにおける言語活動性の構造は, 対人接触機会の程度に相応する力動性があり, かつ, 言語活動性は単一の概念ではないことが知られた。また, 不安水準の高低による対構成によって, 言語活動性構造の相違が認められ, 性格変数との関連が考えられた。
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  • 広瀬 幸雄
    17 巻 (1977 - 1978) 1 号 p. 14-21
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 課題状況下における集団内に働く“公平”回復の一機構を実験的に確めることにある。仮説は, 内的報酬 (地位) の不公平な分配を強要するような集団目標を課せられた集団においては, 外的報酬 (金銭) の分配の調整を行なうことによって, そのような不公平を是正するだろう, というものである。
    大学生男子を被験者とする20組の2人集団に対して集団反応時間課題による共同作業を行なわせた。各2人集団は, 課題能力によって優位成員と劣位成員に分けられているが, この区別は課題の成功率に関する偽の情報 (前者は90%, 後者は50%の成功率) をフィードバックすることで操作されている。実験条件は, 集団目標が地位の公平な分配と両立するか (低目標群), 両立しないか (高目標群), および課題が成員にとって重要であるか (高技能群), 重要でないか (低技能群) の2条件で, 2×2要因配置の実験デザインである。被験者は, 共同作業前に地位分配を, 共同作業後に金銭分配について交渉を行なうよう指示された。
    実験結果は仮説を支持するものであった。低目標群では, 成員間に公平に金銭が分配された。一方, 高目標群では, 公平というよりも平等に近い形で分配されており, これは, 金銭と地位を合わせた報酬全体の公平を回復しようとする傾向を示している。また, このような傾向は, 課題が重要な程より顕著であった。
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  • 古川 久敬
    17 巻 (1977 - 1978) 1 号 p. 22-29
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    本研究は, 組織体従業員によって認知された職務複雑性 (多様性, 自律性, フィードバック, 役割明瞭性) が, 彼らの職務満足度および内的モティベーションといかに関係しているかを検討したものである。
    被験者は, 鉄道輸送を集中制御する職務に従事する325名の男子従業員であった。従来の研究の総括および理論的考察を基礎に, 三つの仮説を設定し, それを検討・吟味した。
    仮説1 各職務複雑性次元は, 外的満足度 (たとえば職場での人間関係) より内的満足度 (能力発揮, 達成感, 能力を伸ばす機会) と強く関係するであろう。この仮説は, 自律性, フィードバック, そして役割明瞭性なる複雑性次元において支持された。
    仮説2 各職務複雑性次元と満足度との関係は, 高次欲求の充足に強く希求した (高欲求水準群) 被験者においてより強いであろう。結果は, 個人特性 (欲求水準) の媒介的効果を裏づけていた。すなわち, 職務複雑性と満足度 (ことに内的満足度) との相関係数は, 高欲求水準群において正の方向でより大きかった。
    仮説3 被験者の内的モティベーションは複雑性次元よりも期待認知と強く関係するであろう。内的モティベーションと期待認知および複雑性次元との相関は, それぞれ0.66, 0.26であった。これら二つの相関値の差は統計的な有意性をもっていた (P<. 01)。
    本研究の結果は二つの重要な示唆をしている。ひとつは, 組織体従業員の内的モティベーションを規定する主たる変数が, 期待理論でいう期待認知であること。他のひとつは, 職務充実プログラムの展開法およびその効果性についてである。この二点について議論がなされた。
    最後に, 今後の研究課題について言及した。
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  • 福原 省三
    17 巻 (1977 - 1978) 1 号 p. 30-38
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    本研究は親和葛藤理論 (Argyle & Dean 1965) を再検討する目的で, 2者間のEye-Contact (EC) と対人距離の関係を分析し, 2変数間に補完的関係が見られるかどうか (仮説1), また, 親和葛藤理論は親和性の高い者にのみあてはまり, 親和性の低い者にはあてはまらないのかどうか (仮説3), さらに, 親和性の高い者が親和性の低い者よりも多くのECを示すかどうか (仮説2) を検討した。
    被験者は24名の男女大学生であり, FIRO-B scaleによって親和性の高低2群に分類され, さらに3つの距離条件に無作為に割り当てられた。被験者は同性のサクラと対面し, TAT図版について3分間会話したが, その間のEC量と1回のECの長さが記録された。
    得られた主な結果は次の通りである。
    (1) 対人距離が遠くなれば, EC量は増加し, また1回のECの長さも増していき, 親和葛藤理論は支持された。
    (2) (1) の結果は両親和性群に認められ, 親和性の程度にかかわらず親和葛藤理論は適用された。
    (3) 親和性の高い者が親和性の低い者よりも多くのECを示す, という結果は得られなかった。
    (4) 被験者は発言中よりも聴取中に多くのECを示した。
    (5) 女性は男性よりも多くのECを示した。親和性に関する仮説が支持されなかった結果に対しては, 親和性尺度と被験者数が少なかった点が問題とされた。今後は文化的側面からの追求も重要であることが示唆された。
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  • 白井 泰子, 高田 利武
    17 巻 (1977 - 1978) 1 号 p. 39-49
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    恐怖喚起コミュニケーションによる態度変容研究における基礎的領域としての, 「伝達されたコミュニケーション内容の理解」の問題を検討することが本研究の目的である。内容の理解に影響をおよぼす可能性のある因子として, (1) 喚起された恐怖の度合 (Janis & Milholland, Jr. 1954), (2) コミュニケーションにもり込まれた情報量の多さに由来する妨害要因 (Duke 1967) を本実験ではとりあげた。
    実験に用いた論題は「医学的見地からみた出生前診断」の問題である。恐怖喚起操作は, 実験Iでは被験者が黙読するパンフレットに記載された恐怖情報の多少によって, 実験IIではさらにテープによる朗読と恐怖喚起スライドの映写を加えることによってそれぞれ行なわれた。妨害要因操作は, 記事に含まれる情報単位 (実験I・II) およびスライド映写数 (実験II) の多少を, 恐怖喚起操作に拘らずほぼ一定の比率に保つことにより行なわれた。情報伝達直後に, コミュニケーションの主要部分の理解度が12項目の5選択肢客観テストにより測定された。被験者は高等看護学校・臨床検査技師学校女子学生である。
    実験Iにおいては実験操作が不充分であったため, 恐怖喚起の効果に関しては明確な傾向は見出されなかった。妨害要因の効果に関しては, 記事に含まれる情報単位が少ないほうが, 客観テストの成績は向上するという傾向がわずかに認められた。実験IIにおいては, 実験操作の有効性は確保し得たにも拘らず, 客観テストの成績に対して恐怖喚起は直接的な効果をもたなかった。妨害要因に関しては実験Iと同様の結果がさらに明確に認められた。また情報単位が多く伝達された場合, 問題をより深刻に認知し, 全般的に記事・著者を好意的に評価する傾向がみられた。さらにこれは恐怖喚起の度合が強い場合により強められる傾向が若干認められた。
    これらの結果について, 恐怖喚起の方途の問題およびコミュニケーション内容の理解に際しての恐怖喚起の役割の問題が論議された。さらにそこから, 恐怖喚起コミュニケーションによる態度変容における, コミュニケーション内容の理解と勧告情報の受容との間の一義的対応関係についての疑義が示唆された。
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  • 狩野 素朗
    17 巻 (1977 - 1978) 1 号 p. 50-59
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    課題解決集団におけるコミュニケーション・ネットワークの効果性は, 課題の質的特性は同一であっても, 課題解決に必要とする情報の量によって変動するであろうという仮説の検証を試みた。課題としてはLeavittタイプの課題を用い, 1つのカードに使用する記号の数を操作することによって情報量多条件と少条件の2水準を設定した。ネットワーク条件としては5人集団による集中ネットワークとしてwheel, 非集中ネットワークとしてcircleの2水準を用い, 情報量条件とネットワーク条件による2×2の各条件につき, くりかえし15回の試行を行なった。
    結果は解決所要時間について情報量少条件ではwheelが, 多条件ではcircleが速く, この交互作用は有意であった。このことは集中構造のもつ中心位置への過剰情報集中性と中心者依存性のもつ短所, および非集中構造のもつ分散性と部分的解の段階的統合という長所が, 情報量が多い場合において顕現化したものと考察された。このことにより, ネットワークの効果性と課題特性との関連につき, 従来からの課題の質的特性との適合という説明原理とは別に, 質的特性は同一でも情報の量による効果性の変動が存在するものであること, そして, 単純課題ではwheelが効果的であるとする従来の知見は, それが情報量が少ない場合についてのみ妥当するものであることが示された。
    また作業満足感については情報量の多少にかかわりなく, ネットワークとその中における位置の主効果が認められ, 満足感や意欲について作業集団内におけるコミュニケーション関係の重要性を示すものとして考察された。
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  • 久保 良敏, 長町 三生, 片岡 晃
    17 巻 (1977 - 1978) 1 号 p. 60-73
    公開日: 2010/11/26
    ジャーナル フリー
    現代青年の意識構造を把握するのに, 従来の人口学的な特徴ではとらえにくいことに着目し, ここではライフ・スタイルという観点から調査を試みた。40項目とそのほかに, 市場調査の意味も含めて, 現在の所有物や近い将来購入したい物などを尋ねた調査票を, 高校生・大学生あわせて634人の対象者に渡して記入を求めた。その結果について, (1) 単純集計, (2) 主成分分析, (3) クラスター分析を実施し, とくに主成分分析でえた12コの因子を利用して因子得点を算出し, それを活用してクラスター分析を行なった。クラスター分析では18コのクラスターを得たがその構成が3%以下のものを捨てて, 結果的には8コのクラスターを得た。それで全体の86%が説明できることになる。その8コのライフ・スタイルのなかで最大のグループは「消極的中庸型」で29%の割合にもなり, 約3割の若者は消極的で特徴がなく何事にも無難な態度をとる人たちであった。
    その他の結果としては, (1) ライフ・スタイルはやはり人口学的な特性よりも若者の行動特性をよく表現している。(2) 女性優位のライフ・スタイルはそのうち3コのクラスターだけであった, (3) 彼らがもっている所有物もライフ・スタイルの特徴を表わすものが多い, などであった。
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