目的:原発巣に対して超選択的動注+照射の同時併用療法(以下RADPLAT)を行った症例のうちリンパ節転移(以下LN)陽性で頸部を1年以上観察できた23例についてLNの治療結果・成績について検討した。
対象:症例は鼻副鼻腔4例,中咽頭5例,下咽頭13例,耳下腺1例,N分類はN1:2例,N2b:10例,N2c:8例,N3:3例であった。
方法:動注はSeldinger法によりシスプラチン100~120mg/m
2を主に原発巣に投与するが,LNの栄養血管が容易に同定された場合にはLNへも動注を行った。治療後LNの残存があった場合には頸部郭清を行うという方針で経過観察を行った。
結果:LNは17例(73.9%)がRADPLATで制御されている。残存・再発した6例のうち3例は頸部郭清にて制御された。
結語:LNに対してもRADPLATは有効であると考えられたが,N2-3でも29%は残存・再発したため,積極的に頸部郭清を行うのか,その場合の郭清範囲をどうするか,あるいは“watch-and-see”で慎重に見極めるようにするのが良いのかを今後明らかにしていく必要がある。
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