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頭頸部癌
Online ISSN : 1881-8382
Print ISSN : 1349-5747
ISSN-L : 1349-5747
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頭頸部癌
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巻号一覧
49 巻 (2023)
4 号 p. 283-
3 号 p. 249-
1 号 p. 1-
48 巻 (2022)
4 号 p. 313-
3 号 p. 257-
1 号 p. 1-
47 巻 (2021)
4 号 p. 359-
3 号 p. 267-
1 号 p. 1-
46 巻 (2020)
4 号 p. 317-
3 号 p. 237-
1 号 p. 1-
45 巻 (2019)
4 号 p. 343-
3 号 p. 261-
1 号 p. 1-
44 巻 (2018)
4 号 p. 331-
3 号 p. 253-
1 号 p. 1-
43 巻 (2017)
4 号 p. 403-
3 号 p. 307-
1 号 p. 1-
42 巻 (2016)
4 号 p. 359-
3 号 p. 277-
1 号 p. 1-
41 巻 (2015)
4 号 p. 397-
3 号 p. 319-
1 号 p. 1-
40 巻 (2014)
4 号 p. 397-
3 号 p. 283-
1 号 p. 1-
39 巻 (2013)
4 号 p. 397-
3 号 p. 281-
1 号 p. 1-
38 巻 (2012)
4 号 p. 385-
3 号 p. 285-
1 号 p. 1-
37 巻 (2011)
4 号 p. 445-
3 号 p. 349-
1 号 p. 1-
36 巻 (2010)
4 号 p. 373-
3 号 p. 273-
1 号 p. 1-
35 巻 (2009)
4 号 p. 329-
3 号 p. 213-
1 号 p. 1-
34 巻 (2008)
4 号 p. 465-
3 号 p. 235-
1 号 p. 1-
33 巻 (2007)
4 号 p. 425-
3 号 p. 209-
1 号 p. 1-
32 巻 (2006)
4 号 p. 391-
3 号 p. 241-
1 号 p. 1-
31 巻 (2005)
4 号 p. 481-
3 号 p. 297-
1 号 p. 1-
30 巻 (2004)
4 号 p. 533-
3 号 p. 333-
前身誌
頭頸部腫瘍
45 巻, 4 号
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第42回 日本頭頸部癌学会
教育講演2
どこまで進んでいるの? NGS(次世代シーケンサー)テクノロジーの頭頸部癌への応用
益田 宗幸
2019 年 45 巻 4 号 p. 343-349
発行日: 2019年
公開日: 2020/06/03
DOI
https://doi.org/10.5981/jjhnc.45.343
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2018年から本邦でも癌ゲノム医療が本格的に始動となった。この先進的な医療技術の中核をなすNGS(次世代シーケンサー)という言葉を,さまざまな場面で耳にする機会が増えていると思われる。本セミナーではNGSって何?何ができるの?といった基本的な疑問をお持ちの初級者の方,ある程度の知識が有るがどうやって頭頸部癌にNGSを適応すればいいの?とお悩みの中級者の方,さらにNGSを使用しているがもう一段階上の研究を目指したいという上級者の方,すべてを対象に,NGS技術の概要を,わかりやすいイメージで解説したい。NGSやそれと平行して飛躍的な発展を遂げているテクノロジーを使うことにより,癌という難攻不落な病魔のアキレス腱を同定する戦略をいかに立てるのかを,頭頸部癌研究の実例の中で提示する。
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シンポジウム1
頭頸部遺伝性腫瘍の新展開 —頸動脈小体腫瘍とHereditary pheochromocytoma-paraganglioma syndrome (HPPS)—
頭頸部および腹部パラガングリオーマの類似点と相違点
—臨床病理学的解析—
木村 伯子, 志賀 清人, 金子 賢一, 竹越 一博
2019 年 45 巻 4 号 p. 350-353
発行日: 2019年
公開日: 2020/06/03
DOI
https://doi.org/10.5981/jjhnc.45.350
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褐色細胞腫(PCC)・パラガングリオーマ(PGL)はいずれも神経堤由来の腫瘍で,PCCは副腎髄質に,PGLは副腎外に生ずるものを呼ぶ。さらに,PGLは頭頸部に生ずる副交感神経性PGL(Head & Neck PGL:HNPGL)と,胸腹部・骨盤内に生ずる交感神経性PGLに分けられる。HNPGLは頸動脈小体腫瘍(CBT)60%,中耳PGL 30%,迷走神経PGL 10%である。また,家族性30%,両側性10-25%,多発17-37%,転移4-8%である。PCC/PGLはいずれも転移する腫瘍であることから,WHO第4版ではすべてのPCC/PGLを悪性腫瘍と定義づけ,ICD-O3(コード)を付与した。PCC/PGLでは現在20個ほどの腫瘍感受性遺伝子が判明しており,約40%は胚細胞変異に伴う腫瘍で,遺伝子と形質発現の関係が明らかになっている。特にSDHx 変異例では両側性・多発性・家族発生が高頻度である。
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シンポジウム2
下咽頭喉頭癌 機能温存への挑戦はどう進んでいるか
声帯麻痺を伴う進行喉頭がんに対する新規喉頭温存手術を中心に
浅田 行紀, 黒沢 是之
2019 年 45 巻 4 号 p. 354-361
発行日: 2019年
公開日: 2020/06/03
DOI
https://doi.org/10.5981/jjhnc.45.354
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下咽頭がん/喉頭がんの嚥下機能再建時に大切なことは2つあると考えられる。気道と食物を分離する構造に破綻がないことそして食物の流路に障害がないことである。われわれは進行喉頭癌の症例に対し上記の考えをもとに治癒切除とともに喉頭機能温存が図れる手術を新規に考案し喉頭温存の希望がある3症例に施行した。3例とも腫瘍切除後,36ヶ月以上経過するが無病生存しており,喉頭機能は保たれている。当手術は定型的で標準化可能であり,今後の検討によって声帯麻痺を伴う進行喉頭がんに対し,喉頭温存治療の有力な選択肢になりえると考えられる。下咽頭がん症例についても喉頭温存・下咽頭喉頭部分切除術に対する遊離組織移植による再建を行った33例を検討した。再建後の喉頭周辺の形態に関しては,披裂喉頭蓋ヒダから梨状陥凹に当たる喉頭外側の食物流路を確保することが重要と示され,上記の考えの有用性が示唆された。
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シンポジウム3
トランスレーショナルリサーチはどう進んでいるか
免疫的癌微小環境解析を通じた頭頸部癌薬物療法の治療効果予測
辻川 敬裕, 吉村 佳奈子, 光田 順一, 佐分利 純代, 竹中 まり, 大村 学, 新井 啓仁, 荻 寛 志, 宮川 文, 小西 英一, ...
2019 年 45 巻 4 号 p. 362-365
発行日: 2019年
公開日: 2020/06/03
DOI
https://doi.org/10.5981/jjhnc.45.362
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頭頸部癌を含む多くの癌において,免疫的癌微小環境が腫瘍の進行や治療抵抗性と関わることが知られてきている。私達は癌微小環境を詳細に解析すべく,従来の免疫組織化学法を発展させ,1切片から12種類のマーカーを可視化する多重免疫染色を行い,デジタル画像解析により定量的に解析可能な技術的基盤を開発してきた。本手法は,切除・生検検体の限られた組織量から従来の免疫組織化学と同等の費用で実施可能であり,腫瘍組織内の14種類の免疫細胞を位置情報を含めて定量的に評価し,臨床病理学的因子との検討が可能である。今後,切片上の組織構造・位置情報を活かした解析や,人工知能技術との併用,腸内微小環境特性や癌細胞の悪性形質など他情報との統合的解析を加え,より精度を高めた組織バイオマーカー探索が目指されている。臨床検体を通じた免疫的癌微小環境の経時的な解析が,頭頸部癌領域における治療選択の最適化につながることが期待される。
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頭頸部がんトランスレーショナルリサーチにおける動物モデル
佐野 大佑, 折舘 伸彦
2019 年 45 巻 4 号 p. 366-368
発行日: 2019年
公開日: 2020/06/03
DOI
https://doi.org/10.5981/jjhnc.45.366
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基礎研究から臨床への橋渡しを担うトランスレーショナルリサーチにおいて,細胞レベルの研究で得られた結果を確認,検証する際に動物モデルが広く用いられている。がん研究で汎用される皮下担癌モデルに対して,癌の浸潤・転移パターンを反映することが可能となる同所性担癌モデルが開発されており,我々は以前より同モデルを用いた頭頸部がんトランスレーショナルリサーチに取り組んできた。一方,同所性担癌モデルを含む動物モデルは樹立した細胞株を通常は用いて作製するため,平面培養により維持されている細胞株の限界,すなわちがん組織の不均一性や,がん周囲の微小環境の再現が困難という実験系の限界が存在する。本稿では,頭頸部がんトランスレーショナルリサーチにおける同所性担癌モデルの有用性,並びに従来の担癌モデルの限界に対する我々の取り組みについて述べる。
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(198K)
シンポジウム4
口腔癌に対する挑戦的治療戦略
早期口腔癌の頸部リンパ節の取り扱いとセンチネルリンパ節
脇坂 尚宏, 吉崎 智一
2019 年 45 巻 4 号 p. 369-372
発行日: 2019年
公開日: 2020/06/03
DOI
https://doi.org/10.5981/jjhnc.45.369
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我々の施設で臨床的に転移を認めない早期口腔癌40症例について原発巣の切除のみを行い頸部は経過観察を行った。後発転移が22.5%で発生していた。 一部の施設ではラジオアイソトープを用いたセンチネルリンパ節(SN)同定法・生検法が導入されている。頭頸部癌におけるSN生検術は欧米では既に標準治療として位置付けられている。我が国ではようやく頭頸部癌診療ガイドライン2018年版で記載されるに留まっている。 我々は,1)超音波造影剤ソナゾイドを用いたSN同定法,と,2)超音波の新技術Superb Microvascular Imagingによる微小血流評価によるSN転移判定法を考案し,第I相試験を実施している。この一連の方法が確立すれば,超音波機器さえあれば「SNの同定」から「SNにおける転移の有無の判定」まで,一般の外来で安全・確実にしかも安価で頸部郭清術の適応の有無を決めることが可能となる。
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(427K)
パネルディカッション2
治療戦略 頭頸部がん治療の均てん化と標準化の検証
頭頸部がん専門医制度10年の検証
—アンケートからわかるこの10年の変遷 現状と問題—
吉本 世一, 中島 寅彦, 松浦 一登
2019 年 45 巻 4 号 p. 373-380
発行日: 2019年
公開日: 2020/06/03
DOI
https://doi.org/10.5981/jjhnc.45.373
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頭頸部がん専門医制度が発足して10年が経過したので,その間の変化を検証するため本学会の耳鼻咽喉科会員を対象としてアンケート調査を行った。各施設における新患数や手術数からは,患者集約化の事実が明らかである。一方で,医師の集約化や労働時間の減少については,実証されなかった。集約化がされていても,再建手術の待機期間はそれほど長くなっておらず,65%の施設で3週間以内であった。特定の個人が治療方針を決定することは激減し,複数の診療科におけるカンファレンスで治療方針が決定されることが増えたが,薬物療法については依然として頭頸部外科医が中心の施設が多い。頭頸部がん専門医制度に関しては肯定的な意見が多いが,その一方で,地方における多くの問題が挙げられた。今後は医療者の働き方改革を含め,持続可能な体制を引き続き検討すべきである。
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(2102K)
兵庫県の現状と一般病院としての当院の立場
篠原 尚吾
2019 年 45 巻 4 号 p. 381-386
発行日: 2019年
公開日: 2020/06/03
DOI
https://doi.org/10.5981/jjhnc.45.381
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頭頸部癌専門医制度が発足して10年が経過した。ここでは兵庫県と当院における現状について報告する。兵庫には国指定のがん拠点病院が14か所あるがそのうち北部の2か所には頭頸部癌を扱う常勤医が不在である。市中病院である当院を含め学会指定研修施設は5か所あるが,すべて南東に位置している。2017年DPCデータによると,県内の頭頸部癌患者の60%以上がこれらの研修施設で治療を受けている。当院では年間308名の頭頸部癌患者と288件の手術を扱っているが,現在の病床数は13床であり,その少なさゆえ在院日数を短くせざるを得ず,このことが治療の標準化の制限になっている。実際当院の平均在院日数は県内指定研修施設のなかで最短である。そのため外来開始可能な低用量CDDP/週による化学放射線療法を採用している。もう一つの制限は再建外科医の不足で,形成外科医とのスケジュールが合わない場合は口腔がん再建においてさえ,有茎皮弁を使用することがある。
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(750K)
第10回教育セミナー
保険適用された粒子線治療(重粒子線治療・陽子線治療)
小藤 昌志
2019 年 45 巻 4 号 p. 387-391
発行日: 2019年
公開日: 2020/06/03
DOI
https://doi.org/10.5981/jjhnc.45.387
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粒子線治療(重粒子線治療・陽子線治療)はX線治療と比較して優れた線量集中性を持つため,安全性が高く,また線量増加による治療効果の向上が期待できる。さらに重粒子線治療は高い生物効果も併せ持ち,線量増加だけでは制御困難な腫瘍に対しても効果が期待できる。2003年以降手術非適応かつX線治療抵抗性の頭頸部腫瘍に対して先進医療として粒子線治療が行われてきたが,2018年4月からは重粒子線治療,陽子線治療ともにこれまで主に対象としてきた頭頸部腫瘍(口腔・咽喉頭の扁平上皮癌を除く)に保険が適用された。保険適用について診療報酬点数の記述は疾患だけで細かな病態の規定はないが,これまでの先進医療時の治療実績より治療対象とする病態については一定の基準を設けている。この報告では現時点での頭頸部腫瘍に対する粒子線治療の保険適用を詳述し,今後の頭頸部腫瘍に対する放射線治療戦略について展望する。
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(387K)
舌癌の術前画像診断
久野 博文, 檜山 貴志, 小林 達伺
2019 年 45 巻 4 号 p. 392-396
発行日: 2019年
公開日: 2020/06/03
DOI
https://doi.org/10.5981/jjhnc.45.392
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舌癌の術前評価において画像診断は適切な治療方針を決定するために重要な役割を果たしている。2018年1月から新しい病期分類AJCC/UICC第8版が用いられ,舌癌の術前画像診断に深達度(DOI) の計測や臨床的節外浸潤 (cENE) の画像評価が重要な役割として加わった。これらの画像における診断基準は現時点で明確にされておらず,測定方法の標準化など取り組むべき課題も多い。本稿では,舌癌の病期分類変更点を中心に,舌癌に対する術前画像診断の重要なテーマについて画像診断医の視点から概説する。
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(533K)
原著
HPV関連中咽頭癌(p16陽性)死亡例の検討
金城 秀俊, 山下 懐, 池上 太郎, 嘉陽 祐紀, 上里 迅, 安慶名 信也, 上原 貴行, 平川 仁, 真栄田 裕行, 鈴木 幹男
2019 年 45 巻 4 号 p. 397-402
発行日: 2019年
公開日: 2020/06/03
DOI
https://doi.org/10.5981/jjhnc.45.397
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AJCC第8版ではp16免疫染色によりHPV関連中咽頭癌をその他の中咽頭癌とは異なる病期分類を用いるようになった。HPV関連中咽頭癌は一般的に予後がよいが,再発・転移を来たし予後不良である症例も経験する。 2006年12月から2014年11月までに当科で治療した中咽頭癌新鮮例100例中,p16陽性例は34例であった。このうち2019年1月の時点で死亡例は4例(男性3名,女性1名)であった。臨床病期はAJCC7版ではStageⅢが1例,StageⅣが3例であったが,8版ではStageⅡが1例,StageⅢが3例であった。予後不良因子として喫煙,局所進行,年齢,重複癌が示唆された。HPV関連癌は再発・遠隔転移を生じても死亡までの期間が比較的長いことが臨床的特徴と思われた。そのため,可能な範囲で追加治療を行うことは妥当であると推察した。
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(526K)
振動を利用した穿刺吸引細胞診による甲状腺 微小結節病変に対する有用性の検討
北野 正之, 堀 龍介, 児嶋 剛, 岡上 雄介, 藤村 真太郎, 庄司 和彦
2019 年 45 巻 4 号 p. 403-407
発行日: 2019年
公開日: 2020/06/03
DOI
https://doi.org/10.5981/jjhnc.45.403
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穿刺吸引細胞診(FNAC)を1cm以下の甲状腺病変に適応するかどうかは悩ましい。天理よろづ相談所病院では,診断精度・安全性向上目的に独自のFNAC機器(振動FNAC)と採取手技を開発し,過去に有用性を報告した。今回は,甲状腺微小結節を対象としてFNACの確実性向上と意義について検討することを目的とし,振動FNACを利用し検査を行った甲状腺微小結節病変について検討した。対象は2014年1月〜2015年12月に1cm以下の甲状腺病変に対しFNACを行った265患者312検体。検体不適正率を,全体・術者・腫瘍の部位・石灰化の有無・嚢胞の有無で検討した。 対象全検体中の検体不適正率は8.3%であった。術者間および腫瘍の部位,性状でも差は認めなかった。 当院のFNAC機器と採取手技は,1cm以下の甲状腺結節に対して良好な成績が得られた。
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(390K)
頭頸部がんにおけるmodified Glasgow Prognostic Score (mGPS) と生存予後の統計的解析
平賀 幸弘, 岡本 篤司
2019 年 45 巻 4 号 p. 408-415
発行日: 2019年
公開日: 2020/06/03
DOI
https://doi.org/10.5981/jjhnc.45.408
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Modified Glasgow Prognostic Score(mGPS)は,血清albumin(Alb)値とC反応性タンパク質(C-reactive protein:CRP)値を測定し,がん患者の悪液質状態をスコア化し評価する目的で提言された。 われわれは,化学・放射線同時併用療法 (CCRT)で一次治療を行ったstageⅢおよびⅣAの進行頭頸部扁平上皮がん74例を対象とし,初診時およびCCRT後のmGPSを調べ,がん悪液質およびCCRTに起因する低栄養と生存率の関連を統計的に検討した。 その結果,stageⅣA特に下咽頭・中咽頭がんの患者においてmGPSは臨床病期と異なる生存予後の危険因子となり,初診時に悪液質状態にある患者は速やかな脱却を,またCCRT治療後は早期に血清Alb値を正常に復帰させ低栄養の改善を図ることが,良好な予後に寄与する可能性があることが明らかとなった。
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(567K)
頭頸部領域に遠隔転移を認めた胸腹部原発 悪性腫瘍症例の特徴と予後
島津 倫太郎, 山内 盛泰, 宮﨑 俊一, 嶋崎 絵里子, 倉富 勇一郎
2019 年 45 巻 4 号 p. 416-419
発行日: 2019年
公開日: 2020/06/03
DOI
https://doi.org/10.5981/jjhnc.45.416
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胸腹部原発悪性腫瘍の頭頸部領域への遠隔転移症例27例について検討を行った。原発部位は肺12例,胸部食道4例,腎3例,子宮頸部2例,肝,膵,胃,前立腺,胸腺,胸膜が各1例であった。年齢および性別において若年症例で女性が多く,一方で高齢症例では男性が多く,原発癌の異なる罹患率を反映していた。また下頸部リンパ節領域への転移が多くの症例で認められたが,上頸部領域や頭頸部臓器へ転移した症例も認められ,頸部リンパ節転移症例において胸腹部原発悪性腫瘍の検索も重要であることが認識された。さらに原発巣が未治療の頸部腫瘤で診断された胸腹部悪性腫瘍症例は,癌の既往がありその経過観察中に再発した症例に比べて統計学的に有意に予後不良であった。これは頭頸部に遠隔転移をきたした未治療癌症例は,病状が急激に進行し遠隔転移を早期からきたすためと思われた。
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(395K)
再発・転移頭頸部癌に対するCBDCA+PTX療法の治療成績
岩城 翔, 川北 大介, 小栗 恵介, 村嶋 明大, 的場 拓磨, 高野 学, 澤部 倫, 村上 信五
2019 年 45 巻 4 号 p. 420-425
発行日: 2019年
公開日: 2020/06/03
DOI
https://doi.org/10.5981/jjhnc.45.420
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再発・転移頭頸部扁平上皮癌(SCC)ではシスプラチン(CDDP)不適格の患者に対してカルボプラチン(CBDCA)を使用したレジメンが考慮される。また非扁平上皮癌例(nonSCC)では標準治療は未確立だがCBDCA+パクリタキセル(PTX)療法(TC療法)の有効性が報告されている。 2014/8-2018/6の間に当院にて施行したTC療法の有効性および安全性を後方視的に検討した。CBDCA(AUC6)およびPTX(175mg/m2)を3週間毎の投与とした。 18例が検討の対象となった。全奏効率はSCC群:18.2%(2/12例),nonSCC群:60%(3/5例)であった。Grade 3-4の有害事象は好中球減少:81.3%,白血球減少:56.3%であった。 本研究では,nonSCC群で良好な結果であり,重篤な骨髄抑制も管理可能であった。TC療法はCDDP不適格な再発・転移頭頸部癌に対して選択肢の一つになりうると考える。
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