【背景】昨今,本邦においてオートショックAEDが発売された【目的】ファーストレスポンダーを対象にオートショックAEDと一般的なAEDの操作時間の比較を行うこと【方法】ファーストレスポンダーを対象に,オートショックAEDと一般的なAEDを用いたクロスオーバーランダム化比較試験(n=39)を行い,操作時間を比較した【結果】オートショックAEDでは,到着から電気ショックまでの平均が77.1±10.9秒とAEDの82.9±10.6秒と比べ5.8秒短縮した【結語】ファーストレスポンダーにおいてオートショックAEDは適切かつ迅速に操作が可能である
脾臓悪性リンパ腫が胃に穿破,さらに横隔膜を穿破し胸腔内に穿孔し膿胸を生じた症例を経験した。71歳,男性,呼吸苦で発症,肺炎で当院に紹介,胸部X-P,CTで左胸腔内液体貯留を認め,エコー下に胸腔穿刺を行い膿性液が2mL吸引できた。胸腔ドレナージ手術を予定した。手術所見で,胸腔内に膿と食物残渣を認め,横隔膜が破裂し,胃が胸腔内に穿孔し,胃内に脾臓腫瘤が穿破していた。癒着剥離,脾臓摘出,胃部分切除,肺下葉部分切除,横隔膜縫合を行い,術後人工呼吸施行,第4病日人工呼吸を離脱,抜管し,第7病日集中治療室を退室した。脾臓腫瘤はB細胞性悪性リンパ腫であった。術中判断による適切な手術と術後管理で救命しえた。
症例は急性白血病と診断された11歳男児,持続的血液濾過透析が必要となり集中治療室に入室した(第0 ICU病日)。安静維持が困難と予想され鎮静下呼吸器管理とした。第57 ICU病日から鎮静薬を漸減し抜管したが再挿管となり,最終的に気管切開を施行した。第75 ICU病日に一般病棟へ転棟したが第76 ICU病日に陰圧性肺水腫を発症し集中治療室に再入室した。
鎮静管理が長期となった小児患者において,離脱症候群から陰圧性肺水腫を生じた症例を経験した。メカニズムとして気道分泌物による物理的閉塞と,呼吸器非同調や吸気努力増加による機能的閉塞が考えられた。
気管切開されていても陰圧性肺水腫の発生を考慮する必要がある。
抗HIV薬と糖尿病薬服用中の患者が下腿潰瘍で入院中,意識レベルと血圧低下にてICUへ入室。高度乳酸アシドーシス(Lactic Acidosis:LA)を認めたため,敗血症性ショックとして治療開始するも循環動態改善せず,高流量の腎代替療法(Continuous Renal Replacement Therapy:CRRT)を行った。薬剤やVitaminB1(VB1)欠乏によるB型LAも疑い薬剤を休止しVB1を投与した結果,LA改善と循環動態の安定を認めた。抗HIV薬・糖尿病薬服用・VB1欠乏に感染が契機となり重症LAを呈したが,集学的治療により救命できた一例を経験した。