蘇生
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24 巻 , 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 川口 昌彦, 古家 仁
    2005 年 24 巻 2 号 p. 71-75
    発行日: 2005/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    心肺蘇生後の社会復帰率の向上は, quality of life及び医療経済という観点から極めて重大な課題であり, 蘇生後脳障害の軽減がその対策のひとつとなる。脳虚血後の神経細胞死のメカニズムとして, 興奮性アミノ酸の放出, 細胞内カルシウムの増加に伴う各種カスケードの活性化, フリーラジカル産生, ミトコンドリア機能不全などが関与している。近年, 白質の脆弱性についても注目されており, 灰白質・白質のいずれもターゲットにした治療法の検討が望まれている。また, アポトーシスなどを介した遅発性の神経障害の進展なども注目され, 長期的な治療及び観察の重要性が指摘されている。臨床においては心室細動による心停止に対する軽度低体温療法の有用性が示され, その使用が推奨されている。
  • 松本 美志也, 中木村 和彦, 吉田 光剛, 平田 孝夫, 坂部 武史
    2005 年 24 巻 2 号 p. 76-81
    発行日: 2005/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    中枢神経の虚血耐性はヒトでも誘導される可能性が報告され, 虚血耐性の臨床応用への期待が高まりつつある。また, 虚血耐性の機序に関しても, 必ずしも神経細胞保護蛋白が産生されただけの状態ではないことがわかってきた。DNAマイクロアレイを用いた研究では, 強い侵襲が加わったときに一次的に冬眠のような状態になるように遺伝子発現がプログラムし直されているとする報告もある。虚血耐性を臨床応用するにはcross-toleranceを用いることになるが, その中で麻酔薬 (イソフルランやモルヒネ) , 高圧酸素, ATP感受性Kチャネル開口薬による虚血耐性の誘導が注目される。
  • 伊藤 寛, 小川 幸恵, 清野 浩昭, 川合 宏仁, 山崎 信也, 奥秋 晟
    2005 年 24 巻 2 号 p. 82-87
    発行日: 2005/07/20
    公開日: 2010/12/08
    ジャーナル フリー
    歯科治療における死亡事故報告は後をたたない。我々は, 各種メディアから知り得た歯科治療に関連した重篤なショック, 心肺停止報告200例について分析した。その結果, ショック45例, 心肺停止155例, 死亡126例であった。これらの多くは局所麻酔や観血処置に起因し, 何らかの全身的合併症を有していたものが全200例中75例 (38%) であった。また小児, 障害児者に多く行われる抑制治療が起因と思われる死亡は19例で, 全死亡例の15%であった。このような事故を回避するために, 歯科医師の医学知識全身管理能力の向上が必要であり, 特に, 最低限のリスクマネージメントとしてBLS, ACLSの習得は必須であると思われた。
  • 内海 陽子, 楠戸 和仁, 小松 達彦
    2005 年 24 巻 2 号 p. 88-91
    発行日: 2005/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    肺切除術後の持続する肺瘻に対して胸腔鏡補助下肺瘻切除術が施行された。手術終了後病室で意識レベルの低下, 眼球上方偏位.呼吸減弱が認められ頭部CT検査を施行したところ, 両側大脳半球皮質下に空気による透亮像を認めた。心電図でII, III, aVFにSTと昇を認め急性下壁梗塞が疑われた。翌日の頭部CTでは脳梗塞像と著明な脳浮腫を認めた。昇圧剤, 脳保護薬投与などの対症療法を施行したが2日後死亡した。肺手術後の空気塞栓が発症した機序として, 肺胞―肺静脈瘻の成立, 陽圧換気による気道内圧の上昇, 出血による肺静脈圧低下などが考えられた。
  • 三浦 弘樹, 丸田 豊明, 松岡 博史, 押川 満雄, 濱川 俊朗, 高崎 眞弓
    2005 年 24 巻 2 号 p. 92-95
    発行日: 2005/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    インフルエンザ脳症は乳幼児を中心に罹患し, 高率に死亡または重大な後遺症を残す予後不良の疾患である。その治療法はいまだ確立していない。われわれは先天性甲状腺機能低下症で加療中の4歳女児が, A型インフルエンザ脳症になった症例を経験した。厚生労働省の試案である「インフルエンザ脳炎・脳症の特殊治療」に準拠し, 脳低温療法, 大量ガンマグロブリン療法, メチルプレドニゾロン・パルス療法を行った。34℃の脳低温療法を発症8時間後に導入した。第6病日に復温を開始し, 第11病日に終了した。先天性甲状腺機能低下症に対してレボチロキシンを投与した。脳低温療法中は甲状腺ホルモンを測定し, 遊離サイロキシン濃度が正常範囲内にあることを確認した。先天性甲状腺機能低下症を合併したインフルエンザ脳症の患児に対する脳低温療法の報告はない。患児は重篤な後遺症を残さず回復した。
  • 長谷 敦子, 柴田 茂樹, 山口 美知子, 津田 敦
    2005 年 24 巻 2 号 p. 96-99
    発行日: 2005/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    病院内での心肺蘇生の必要性を認識して確実に行えるように, 国際ガイドライン2000年 (G2000) に基づいた心肺蘇生法 (BLS) 講習会を全職員582人に対して行った。少人数の講師で講習のレベルを保ち, 受講者の調整を管理指導し, 短期間に集中的に講習会を開催した。受講後のアンケート調査では, 受講者からみた講習会の評価は良好であり, 講習の目的が達成できた。正しい蘇生法の習得が病院職員の義務であるという意識を普及すること, 既存の組織を活かして効率的かつ経済的に行う工夫, 各部署が協力し病院全体の行事として集中的に行うことが病院内での蘇生教育効果をあげるために重要であると考えられた。
  • 齋藤 繁
    2005 年 24 巻 2 号 p. 100-103
    発行日: 2005/07/20
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    近年, 救命救急活動に対する社会的関心が高まっており, 従来病院内においてのみ施行されていた救命的医療行為を傷病者の発見現場から開始するための体制整備も進められつつある。Thomas Bagは救急医療先進国である米国において開発された救命器具パッケージで, バッグパックに収納された機材を交通手段の途絶えたフィールドにも容易に搬送できるようデザインされている。収納内容は外傷の処置器具に留まらず, 気管挿管器具や胸腔ドレーン, 静注薬なども含まれている。また, 想定される傷病者の症状に応じて, 各チームで内容を入れ替えることが可能である。本バッグを実際に蘇生に使用した経験を踏まえて, その特徴と限界を紹介する。
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