This study aimed to compare and verify the effects of different personal protective equipment (PPE) masks on the quality of chest compressions and vital signs in rescuers.
【背景】大学生へのBLS教育の機会確保として,オンライン型BLS講習会が有効であると考えられるが,国内の先行研究は見当たらない。【目的】大学生へのオンライン型BLS講習会の教育効果を明らかにした。【対象と方法】49名へオンライン型BLS講習会を行い,受講前,後,1か月後にアンケートを実施した。【結果】胸骨圧迫の速さと構内AED配置場所の2か所以上の認知の正答者が講習会後に有意に増加した。目の前で人が倒れた際にBLSを実施できると回答した者,BLSを行う自信の平均値が講習会後に有意に増加した。【結語】大学生へのオンライン型BLS講習会はBLSの知識,BLSへの意識についての教育効果が認められた。
外科的気道確保困難な患者の気道緊急は危機的状況である。今回我々は,外科的気道確保困難な患者のマスク換気困難かつ挿管困難,および出血に対して多科連携により対応した症例を経験したので報告する。症例は68歳女性,両側声帯麻痺による窒息に対し救急外来で緊急気道確保を行った。挿管は不可能と思われ気管切開を先行させたが出血により難渋,経鼻挿管に成功しその後手術室で気管切開となった。また術後出血に対しても他科連携で対応した。侵襲的気道確保が困難な場合は,非侵襲的気道確保が本当に不可能なのか再検討することも必要である。また危機的気道緊急はチームでの対応が必要であり,普段からの訓練を行うことが重要である。
我々は2021年に,日本救急医学会中部地方会誌に「病院救急救命士は病院内でどのような役割を担えるのか:福井県内初の試み・福井厚生病院」を報告した1)。本稿では,先の報告後の1年間で,福井厚生病院所属の救急救命士(以下「当院救急救命士」)が取り組んだ具体的な業務内容について紹介する。
医療法人厚生会 福井厚生病院(以下「当院」)では,2021年4月に病院救急救命士を2名採用した。当院としても初めてであり,福井県内でも初の試みであった。一人は42歳男性で,元県内消防機関に所属しすべての特定行為実施可能な救急救命士,もう一人は22歳男性で,大学の救急救命士養成課程卒業後に県内消防機関に1年勤務後に当院入職し,気管挿管以外の特定行為が可能な救急救命士である。
当院は199床の中規模総合病院で,一般病棟74床,地域包括ケア病棟50床,精神科病棟41床,回復期リハビリ病棟34床より構成される。一方,救命救急センターには指定されておらず,救急部(救急総合診療科常勤医師4名),病院救急車1台を有する,二次救急医療施設および後方支援病院としての機能を持つ。