労働安全衛生研究
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10 巻 , 1 号
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巻頭言
特集「教育」
事例報告
  • 南川 忠男
    2017 年 10 巻 1 号 p. 3-12
    発行日: 2017/02/28
    公開日: 2017/03/03
    [早期公開] 公開日: 2017/02/18
    ジャーナル フリー

    災害のなぜなぜ分析で3, 4番目に挙げられる原因に「ひとこと言っておけばよかった」「やる前に相談すればよかった」「仲間が手順から逸脱したことを提案したが,周りも消極的に同調し,流された」が挙げられており,声かけの大切さ,適正な権威勾配,言い出す勇気など人的要因の重要性を深く気づくノンテクニカルスキル教育の実施が求められていた.

    状況認識においても情報の受信や理解において思い込みが判断を曇らせて事故を招くことが多い.自己を知れば事故が減ることを目標に,判定質問を考案して個人の思い込み度合いを測定し,それを自覚することにより事故が減らせると考え,受講者自らが深く気づく教育プログラムを構築した.

技術解説
研究紹介
  • 濱島 京子
    2017 年 10 巻 1 号 p. 25-31
    発行日: 2017/02/28
    公開日: 2017/03/03
    [早期公開] 公開日: 2017/02/16
    ジャーナル フリー

    理工学系大学の学部生に向けた安全学の教育では,学生らが,災害防止における将来の自らの役割を自覚し,まずは技術的側面から問題を解決する考え方を習得することを目標とすべきである.リスクアセスメントの教育は重要であるが,単に手法を解説する方法ではこの目標を達成することはできない.そこで,リスクアセスメントの手順を,問題解決の思考様式を研究する分野での,一般的な問題解決の考え方からながめると,リスクアセスメントが災害防止に有効であるための,条件がみえてくる.この分野では,問題には構造があり,構造を変えることが解決である,と考える.これより,災害の問題構造をとらえて構造を変える力が人や組織にあることが,リスクアセスメント実施の前提条件となる.教育では,この観点に基づいて内容を組み立てる必要があるものと考える.さらに,労働安全分野でのリスクアセスメント教育に関する考察として,問題解決における構造の考え方を用いると,リスクアセスメントと危険予知との違いを区別することができることを示す.

調査報告
  • 三浦 崇, 高橋 明子
    2017 年 10 巻 1 号 p. 33-43
    発行日: 2017/02/28
    公開日: 2017/03/03
    [早期公開] 公開日: 2017/01/23
    ジャーナル フリー

    2006年から2010年までの労働災害死傷病報告に基づく休業4日以上の労働災害事例の非集約型データベースと,労働力調査による年齢階級別雇用者数の統計をもとに,年齢ごとの災害発生件数と雇用者数をそれぞれ推定し,年齢1歳ごとに年千人率を算出した.事故の型,起因物,業種などで層別に分析した結果,労働災害発生率と年齢との関係には様々な特徴が見られた.発生率の高い年齢帯の把握に加え,わずかな年齢差に対する発生率の変化の大きさも明らかになった.

資料
  • 久保 智英
    2017 年 10 巻 1 号 p. 45-53
    発行日: 2017/02/28
    公開日: 2017/03/03
    [早期公開] 公開日: 2017/01/20
    ジャーナル フリー

    本稿では,近未来の働き方とそれによる労働者の疲労問題,そしてその対策について,先行研究を踏まえながら,著者の私見を述べた.その論点は,1)情報通信技術の発達による飛躍的な労働生産性の向上は,これまで労働者の生活時間のゆとりではなく,逆に新たなる作業時間に結びつく可能性があること,2)その影響により,労働者の働き方は,いつでもどこでも仕事につながることができ,ますます,オンとオフの境界線が曖昧になるかもしれないこと,3)その疲労対策としては,オフには物理的に仕事から離れるだけではなく,心理的にも仕事の拘束から離れられるような組織的な配慮と個人的な対処が重要であること,4)最近,注目されている勤務間インターバル制度と,勤務時間外での仕事のメールなどの規制としての「つながらない権利」を疲労対策として紹介したこと,に要約できる.いずれにしても,公と私の境界線がもともと曖昧なわが国の労働者にとっては,オフを確保することが近未来に生じうる労働者の疲労問題に対しての有効な手立てとなるだろう.

  • 菅間 敦
    2017 年 10 巻 1 号 p. 55-58
    発行日: 2017/02/28
    公開日: 2017/03/03
    [早期公開] 公開日: 2017/01/23
    ジャーナル フリー

    脚立は業種を問わずあらゆる場所で見かける用具であり,軽作業で利用される機会が多いが,その使用方法を誤れば転落などの災害に繋がり,場合によっては死亡に至るケースもある.本研究では,安全な脚立作業の確立に向けて,脚立使用中の労働災害に関する統計分析によりその実態を明らかにするとともに,災害発生防止に向けた取り組みについての提言を行う.特に,脚立上で作業者がバランスを崩して転落するケースが多いことから,脚立上での作業時における身体姿勢の不安定性の評価結果に基づいて適切な脚立の使用方法について述べる.

  • 大塚 輝人
    2017 年 10 巻 1 号 p. 59-62
    発行日: 2017/02/28
    公開日: 2017/03/03
    [早期公開] 公開日: 2017/02/17
    ジャーナル フリー

    2011年から2013年にかけて国内で化学産業における大規模な爆発災害が相次いだ.本報では,歴史的な爆発災害を振り返るとともに,近年起きた爆発災害を紹介した上で,労働安全衛生法の改正を受けた化学プラントにおけるリスクアセスメントについて解説する.

  • 時澤 健
    2017 年 10 巻 1 号 p. 63-67
    発行日: 2017/02/28
    公開日: 2017/03/03
    [早期公開] 公開日: 2017/02/16
    ジャーナル フリー

    熱中症による労働災害は地球温暖化の影響に伴い近年増加傾向にある.熱中症に至らない場合でも,暑さそのものが作業効率の低下を招くため,その対策が必要とされる.これまでの熱中症対策は,水分補給や体調管理など労働者自身に任される部分が大きく,また対策製品は皮膚表面を部分的に冷却する方法が多く,深部体温を下げるような対策はないのが現状である.本稿では,はじめに熱中症による労働災害の現状を死傷病報告と救急搬送のデータから解説する.また現在流通している熱中症対策製品の一例を取り上げ,その効果の限界について論じる.そして新しい熱中症対策の技術として,現場応用を目的とした実用的な研究と,様々なテクノロジーを駆使し近い将来実現されることが見込まれるシステムについて解説する.

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