山階鳥類研究所研究報告
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24 巻, 2 号
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 特にアンギオテンシンを中心に
    上村 晴子, 小林 英司
    1992 年 24 巻 2 号 p. 47-65
    発行日: 1992/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    Most of the birds respond to angiotensin II (ANG II) (ip, 1-10μg/100g) by drinking. The receptive sites for ANG II are the preoptic area and the subfornical organ in the brain. However, species originating in arid areas and carnivorous birds, which drink little water in nature, are relatively insensitive to ANG II. It seems that ANG II has become adaptively involved in the physiological mechanisms inducing thirst during the evolutionary process. Among various other neuropeptides some have stimulatory and others inhibitory or no effects on water intake. Receptive sites for the active neuropeptides are located centrally, peripherally or in the kidney. However, it is not known whether the action is physiological in nature or not.
  • Mamata Dey, Saumen Kumar Maitra
    1992 年 24 巻 2 号 p. 66-76
    発行日: 1992/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    野生ワカケホンセイインコの精巣組織の年周変化を,日周期や温度などの気候の変化と関連づけて,3年にわたって調べた。精巣の生理的な活性は,精巣の重量,細精管の直径,精子形成の段階,ライディッヒ細胞の核の直径,精巣のコレステロール含量により決定した。得られた結果をもとに,精巣活動の年周期を次の5つにわけた。再生あるいは準備期(5-8月,退化した細精管内に休止期の精原細胞が存在),発達期(9-12月,精子形成の再開),前繁殖期(1-2月,ゆっくりしたスピードの精子完成),繁殖期(3月,活発な精子の完成),退行期(4-5月,生殖細胞の退化)。ライディッヒ細胞の新生は準備期に始まり,発達期に成熟する。ライディッヒ細胞の高い活性は繁殖期の最後まで認められる。しかしながら,いかなる環境因子がこの鳥の精子成熟の季節変化の同調因子となっているかを,統計的に明確に示すことはできなかった。
  • J. J. Thompson
    1992 年 24 巻 2 号 p. 77-81
    発行日: 1992/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    本報で述べるシギ•チドリ類個体数の間接的調査法は,個体数の判明している種を,干潮時の干潟に生息する他の種の個体数を測る指標種にし,調査する方法である。この調査法の有効性を検証するために,東京湾谷津干潟で,間接調査法と従来の全個体数カウント法でシギ•チドリ類をカウントし,両方法によるカウント値を比較した。その結果,両値はおおむね近似した値となった。間接調査法は,とりわけ潮間帯の面積が大きく,調査人数が少ない場合に効果的であり,シギ•チドリ類の有用な調査法であることが示された。
  • 和田 岳
    1992 年 24 巻 2 号 p. 82-93
    発行日: 1992/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    (1) 一つの場所における一年間のセンサス結果をもとに,留鳥8種の個体数変動にについて,おもに他種の個体数を要因として考えた分析を行なった。
    (2) 各科の個体数に基づいたクラスター分析によって,各センサスの結果を4つの群に分けた。この4群は季節的にまとまった分布を示し,気象観測値を用いて4群の判別分析を行なうと,平均気温と平均風速とが説明変数として選択された。
    (3) ヒヨドリ科,ツグミ科,ウグイス科,ヒタキ科,メジロ科,ホオジロ科,アトリ科の個体数について,群間で有意の差が認められた。このうちツグミ科,ホオジロ科,アトリ科はおもに冬鳥からなり,この3科だけを用いた判別分析によって63.9%が正しい群に分けられ,群間の違いはおもに冬鳥の渡来によると考えられた。
    (4) おもに冬鳥の有無に基づいて一年間を二つに分けて,留鳥8種の個体数について重回帰分析を行なうと,多くの場合個体数変動の50%以上が,平均気温,平均風速,おもな渡り鳥の個体数,他の留鳥の個体数によって説明された。また説明変数として選択された要因は,二つの季節の間で大幅に異なっていた。
    (5) 以上の結果は,留鳥の生息場所選択に影響を与える要因が季節的に変化する可能性を示唆していると考えられた。
  • 小城 春雄, 佐々木 浩, 大谷 道博, 渡辺 勝範, 松代 真佳, 荘司 勇, 早坂 義幸
    1992 年 24 巻 2 号 p. 94-95
    発行日: 1992/10/30
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    練習調査船北鳳丸による北海道南西沖での浮魚調査期間中の1991年5月17~18日に,アマサギ1羽,コサギ1羽,およびゴイサギ亜成鳥2羽が飛来し船Lに滞在した。いずれの種類も初夏北上中の個体と考えられた。
    日本海北部沿岸域に位置する舳倉島(石川県),佐渡島(新潟県),飛島(山形県),渡島大島(北海道),天売島(北海道)等においても上記3種のサギ類は4~6月に観察されていることから,沿岸域の島々を辿って北上する渡り経路のあることが示唆された。
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