札内川下•中流部の河川敷で調査地6か所を設け,1994~1999年5,6月に線センサス法により鳥類を調査した。調査地の環境は,河畔林,潅木草原,農耕地がモザイク状となっており,調査地6か所で,55種の鳥類が観察された。このうち,森林性鳥類は30種,潅木草原性鳥類は12種,水辺の鳥類8種,その他5種であった。主な種は,オオジシギ,キジバト,カッコウ,アリスイ,アカゲラ,コアカゲラ,ヒバリ,ビンズイ,ヒヨドリ,コルリ,ノゴマ,ノビタキ,アカハラ,エゾセンニュウ,センダイムシクイ,キビタキ,ハシブトガラ,シジュウカラ,アオジ,カワラヒワ,ベニマシコ,シメであった。各調査地における鳥類相の多様度指数は3.95~4.31で,調査地間で大きな差はなかった。調査地では一部の森林性鳥類を欠くが,河川敷の環境は人為的な環境における鳥類相の多様性を大きくする役割があり,とくに潅木草原性鳥類にとっては,重要な生息環境となっている。
抄録全体を表示