コンピュータ&エデュケーション
Online ISSN : 2188-6962
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37 巻
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特集 「タブレット時代とどう向き合うか?」
事例研究
論文
  • 森下 孟, 東原 義訓
    2014 年 37 巻 p. 73-78
    発行日: 2014/12/01
    公開日: 2015/06/01
    ジャーナル フリー
    タブレット端末を活用した協働学習を初めて受けた学習者は,どのような点で学習活動を「楽しい」と感じるかを明らかにするため,量的・質的研究法を統合し,1つの研究のなかで同時かつ補完的に扱うことを目的としたトライアンギュレーション混合研究法を試みた。その結果,学習者らは「それぞれの学習者の考えを電子黒板上に提示することで自他の考えを可視化し,友達の考えを共有・比較できたこと」「普段使用していないタブレット端末を使用することができたこと」によって「楽しい」と感じていたことが明らかになった。加えて,タブレット端末が持つ様々な機能は,学習者の潜在的な興味・関心を引き付ける可能性を示唆した。
  • ―越境的で水平的な結びつきから創出する学びあい―
    大木 誠一, 筒井 洋一
    2014 年 37 巻 p. 79-84
    発行日: 2014/12/01
    公開日: 2015/06/01
    ジャーナル フリー
    2013年度,筒井は,対話をとおして能動的な学習姿勢と意欲を生み出すことを目指した高等教育の授業をおこなった。それは,1)大学外の第三者が参加したグループワーク形式の授業であり,2)対話型の授業評価が3回組み込まれ,3)約4か月15回の授業を3つのモジュールに分割して進められたという特徴を持つ一般教育選択科目(2単位)の授業である。これは,大学の境界を越えたより水平的で緩やかな関係を構築することで,授業を革新する試みである。結果として,この授業は,教室内外に,すべての授業関係者が参加する学びあいの場を創出した。そして,教室は,ほとんどすべての学生が自ら変化成長したと認識できる場となっていた。
  • 白井 詩沙香, 福井 哲夫
    2014 年 37 巻 p. 85-90
    発行日: 2014/12/01
    公開日: 2015/06/01
    ジャーナル フリー
    近年,eラーニングのオンラインテストにおいて,数式の正誤評価ができる数式自動採点システムが注目されている。本研究では,Moodleの小テストである数式自動採点システムSTACKに焦点を当て,STACKにおける数式入力方法を改善することを目的に新方式を提案し,検証した。提案方式は,数式を普段読むように入力し,仮名漢字変換のように変換することで数式を入力できる特徴を持つ。本学2年生を対象に,提案方式を実装したSTACKで数学eラーニングを行い,評価を行った結果,8週に渡る学習の開始と終了時点における解答時間に従来方式との有意差は無く,従来方式と変わらない習熟率で学習できることが判った。主観満足度では,従来方式に比べ記憶のしやすさに関して有意に高い評価を得たが,オペランド範囲の指定操作と修正機能については改善が必要であることが示唆された。
  • ―留学生と日本人学生のSNSを介した協働調査活動の実態分析から―
    村田 晶子
    2014 年 37 巻 p. 91-96
    発行日: 2014/12/01
    公開日: 2015/06/01
    ジャーナル フリー
    本稿では,留学生と日本人学生が共同で行う社会調査(フィールドワーク)を分析し,多様な言語文化的な背景を持つ学生グループにおけるSNSの使用実態を分析した。本稿の分析対象は,学生グループで自主的に作成したSNSグループのディスカッション記録,社会調査の成果物(パワーポイント),そして成果発表会の録画記録である。結果の分析では,学生のSNSグループのデータ(Facebook,LINEの記録)が学生グループの社会調査においてどのように活用されたかについて検討し,SNSグループデータが調査の様々な段階(調査準備段階,現地調査中,調査後の結果分析)において活用されたことを具体例を示しながら明らかにした。さらに,社会調査における学生達のSNSディスカッションデータの教育現場への応用について検討し,学生が自分達のSNS上の社会調査活動のデータを振り返ることの教育的意義について,次の4点を挙げた。1)学生の社会調査スキルを向上させるための活用,2)学生のプロジェクト・マネージメント能力,リーダーシップ能力を向上させるための活用,3)個々の学生のプロジェクトへの参加の質を評価するための利用,4)多文化間のコミュニケーション能力の育成のための活用。
  • 奥原 俊
    2014 年 37 巻 p. 97-102
    発行日: 2014/12/01
    公開日: 2015/06/01
    ジャーナル フリー
    グループ学習は他者との協調が重要な学習方法で,グループ編成手法が盛んに研究されている。しかし,グループ内の生徒の繋がりがグループに及ぼす学習効果まで踏み込んだ研究は少ない。そこで,本研究は好成績な生徒が持つ教え合いの繋がりを分析し,生徒間の繫がりを明らかにすることで,教師が細かい指導を実施しない状況下での学習効果が上がったことを報告する。また,教え合いの繋がりである学習ネットワークの調査,及び分析から好成績な生徒が持つ学習ネットワークがグループに与える影響を明らかにする。
編集後記
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