コンピュータ&エデュケーション
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4 巻
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
特集 自然科学教育へのコンピュータの利用
  • 原 康夫
    1998 年 4 巻 p. 11-15
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    約10年前に大学における基礎物理教育の現状と問題点およびその改善策を探ろうとして総合研究を始めたが、約10年間の総合研究の末に、私達は物理教材モジュールのコンピュータ・ネットワークを通じての開発と共有化という段階に到達した。私たち物理教師の自主的な研究グループの経験を報告する。最後に、物理教育のかかえる問題点についても触れる。
  • 物理教育ネットワーク(NEP)や物理JAVAグループでの活動から
    小林 昭三
    1998 年 4 巻 p. 16-24
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    物理分野では科学研究費などのグループを母体に、NEP(物理教育ネットワーク)という教育研究グループがつくられた。そこには物理分野の教育を改善しようと考える教員が多数集まり、相互に連携・協力し合いながらインターネット・マルチメディアやJAVAなどを活用した科学教育の教材の開発とそのネットワーク化を進めつつある。ここから、1997年1月には、物理教材開発を支援するJAVA物理教材メーリングリスト(buturijava@kakuda.ed.niigata-u.ac.jp, and http://www.nep.chubu.ac.jp/̃nepjava/)が生まれ、インターネット上での情報交換をもとに、JAVA科学教育教材を開発するグループの活動が本格化した。こうしたNEPやJAVA物理グループにおけるインターネット・JAVAを活用した科学教育研究活動の経過と概要を報告し、さらに、物理分野の教育におけるインターネット・JAVA活用の具体例のいくつかを紹介しよう。
  • 及川 義道
    1998 年 4 巻 p. 25-29
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    WWW上で提供される電子ジャーナルは、印刷物では不可能なデジタル情報―たとえば、アニメーション、ビデオ、リンク情報など-を利用した記事の提供が可能である。化学教育ジャーナルもそんな電子ジャーナルの一つであり、化学教育とその活動の発展に寄与することを目的として発刊されている。この雑誌は、インターネットを利用できる環境を有するものであれば、誰でも読むことができる。また、世界的にみても、このような化学教育を扱った電子ジャーナルは少ない。このレポートでは、そんな化学教育ジャーナルの発刊の趣旨や活動の概要、利用や投稿の方法について報告する。
  • 分散キャンパス・信州大学での取組みと成果
    矢部 正之
    1998 年 4 巻 p. 30-33
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    コンピュータネットワークを用いて、画像・音声などのマルチメディア情報ネットワークを構築し、それを大学教育に利用した先進的な取組の例として信州大学の画像情報ネットワーク(SUNS)を紹介する。長野県各地に分散したキャンパスを持つ信州大学が、そのデメリットを解消しさらに特徴として活かす手段として、マルチメディア化されたネットワークによる遠隔教育をいち早く取り入れ、すでに約十年が経過した。そのシステムの概要を示し、そこでの遠隔教育の実例と通常の講義との比較をした場合の不利な点、それを克服する方策の模索状況を紹介する。
  • 美馬 のゆり
    1998 年 4 巻 p. 34-38
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    小学生の日常の疑問に若手科学者がネットワークを介してあるいは、学校を訪問することにより、対話をすることを通じて、子どもに「科学する」ことのおもしろさを伝える教育実践研究を行った。ネットワーク上でやりとりされた会話および子どもの学校での活動を含めて分析を行った結果、子どものみならず、科学者の側にも学びが起こっていることが明らかになった。この結果をもとに、コミュニケーションと学びの関係について考察した。
  • 鈴木 治郎
    1998 年 4 巻 p. 39-43
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    「ある質問に対して科学は客観的な解答を与えてくれはするが、どのような質問が適切であるかという指示は与えてくれない」ということが知られている。科学の主要な方法の一つである統計的手法についても同様である。コンピュータ利用が身近になって様々な統計的手法が容易に扱えるようになった今日、このことばの意味を改めて踏まえることが必要である。そこで統計的手法に与える「質問」はどのようなものが適切であるかを理解目標とした学習カリキュラムの設計を、表計算ソフト利用のもとで行い授業を実施した。
  • 中村 彰
    1998 年 4 巻 p. 44-50
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    この数年来の化学を専攻する学生のための授業において,計算機化学の視点を含めることを実践してきた。この種の授業を始めた初めの数年間は,数式処理が行えるREDUCEを用いてその有効性を認識していたが,本来の化学の主題とは異なるREDUCEの使用法を説明する必要のあることが欠点であった。この欠点を解消するためには,現在では新入生の全員が情報処理素養の1つとして認識されているMicrosoft Excelに代表される表計算用具が非常に有効である。本報告では,化学の実践応用において有用な概念である固有値問題と分光分析における重なり波形の分離技法(Deconvolution)に関係して,Excelの機能を活用した応用例について議論する。
  • アマチュア・サイエンスの復権をめざして
    酒井 敏
    1998 年 4 巻 p. 51-54
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    近年の理系離れの現象は、学生の問題ではなく、自然科学に対する社会全体の意識が変わった結果であると思われる。この現象に歯止めをかけるには、「役に立つ知識」としてではなく、音楽や美術と同様「文化」として楽しむ自然科学を普及させることが重要である。しかも、これはプロの科学者だけでなく、アマチュアが楽しめるものでなければならない。
コンピュータと教育・研究 活用事例
論文
  • 妹尾 堅一郎, 藤本 徹, 橋爪 良治
    1998 年 4 巻 p. 64-74
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    1996年秋学期、慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(以下、SFCと略す)の共通基礎科目「社会調査法(妹尾堅一郎担当)」の授業において、約250名の受講生が約70組のグループに分かれ、社会調査のプロジェクトを実際に行なった。これを、わずか1名の教師と4名のSA(student assistant)のみで常時指導していくことを可能にしたのがデジタルメディアの活用である。このことは、電子メールとホームページといった既存のメディアツールを活用しただけでも、新しい「メディア活用授業」の開発と運用を効果的に行なうことが可能であることを示した。本論では、本授業を「メディアを活用した学習者志向の学習環境の構築と運用、ならびにプロジェクト型授業運営の開発」と位置づけ、大学の新しい授業形態の試みとして考察する。
  • ―身近な自然環境の探索を兼ねて―
    榊原 正明, 立花 良一, 松本 法子
    1998 年 4 巻 p. 75-81
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    学生実験で使用する検水の採水場所の決定をコンピュータを用いて行うために、Visual Basic Ver.4.0でプログラムを作成した。複数のパソコンを同時に使用することにより、選択時の混雑を解消することができた。また、使用したパソコンをLANで接続したことにより、採水場所の重複を避けることができた。採水場所は、鳥取市内の主な河川と大学周辺の湖山池を中心にコース分けを行い、これらのコースごとに採水しやすい橋等の周辺を採水地点として選定した。プログラムは、鳥取市の概略図から各コースを選択し、採水地点ごとに周辺の地図と写真を見ながら採水場所を決定する、というものである。学生に採水地点の写真を提示することにより、周囲の自然環境をも示すことが可能となった。これは、学生に身近な自然環境についての関心を持たせる動機づけとしても有効であった。
  • 池田 伸子
    1998 年 4 巻 p. 82-87
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    教育現場へのコンピュータ導入の増加にともなって、多くのCAI教材やマルチメディア教材が開発され、教育に利用されている。しかし、教材そのものや教材の教育効果についての評価法や評価基準が現在のところまだ確立されていないことから、語学教育の現場でのCAIに関する研究の多くは、開発に関するものである。そこで、筆者は独自に開発した外国語としての日本語CAI教材を利用した授業を通して得られた音声ヒント利用に関する学習履歴を分析することによって、成績上位者と下位者の学習ストラテジーの違いを調査した。調査の結果、成績上位者と下位者とでは音声ヒント利用の量およびタイミングに差があることが明らかになり、それは彼らの学習ストラテジー使用の違いによるものであろうと推察された。
  • ―東京水産大学の事例―
    島野 顕継
    1998 年 4 巻 p. 88-90
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    大学における研究、教育環境のインフラストラクチャとしてネットワークは重要な役割を果たす。そのキャンパスネットワークの構築例として、東京水産大学の事例を述べた。現在運用しているネットワークでは、幹線として2本のFDDI(光ファイバー)、支線として建物ごとにEthernetが敷設されており、学生や教職員が頻繁に利用しているが、1つのハードウェアがダウンすればネットワークの機能がほぼ停止する、運用スタッフが足りない等の問題点を抱えている。
  • ―幾何・関数領域におけるインタラクティブな動画教材の開発とその効果についての実践研究(中間報告)―
    豊原 芳史
    1998 年 4 巻 p. 91-97
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    広島.教育工学研究会は、豊原が中心となり簡単な操作でコンピュータ上で作図できる、学習用ツール型ソフトウェア(作図ツール)について研究している。1995年(平成7年)の実践では、探索的な学習活動を支援する幾何領域の教材の開発と、この教材を利用した学習が及ぼす、知識・理解面、情意面への影響を測定することができた。この成果を基礎とし1997年は、研究対象を関数領域に拡大するとともに、教材をより有効に活用する方法について探ってみた。これまでのところ、探索的な学習活動を支援する関数教材の開発とこの教材を活かすカリキュラムの試行、教材を利用した探索的な学習活動の知識・理解面への影響調査と研究を深めることができた。引き続き、幾何領域において実践中であり、本稿は関数領域までの取り組みの成果を報告したものである。
  • 長谷川 聡
    1998 年 4 巻 p. 98-101
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    短期大学の情報処理専門科目としてのプログラミング教育において、学生がコンピュータネットワークをはじめとする情報メディア環境を積極的に活用して学生間で情報を交換し教え合いながら、実践的なソフトウェア開発の方法論や技法を学ぶことを目指して、グループ学習型の教育を取り入れた。学習過程でのメディア環境の利用とグループ学習の効果について事例の報告とともに論じる。
  • シューミン チャン, 若林 靖永
    1998 年 4 巻 p. 102-106
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2015/02/03
    ジャーナル フリー
    経営・マーケティング関係を学ぶ大学院生のなかで、大学院で学びその成果をもとに民間企業等に就職するケースが増えてきている。本事例紹介は、修士論文の作成および就職活動において、ホームページの作成・活用が重要な役割を果たしたことを紹介したい。
編集後記
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