ジャポニカ米とインディカ米から,澱粉とプロテインボディを調整して,それぞれの顆粒に含まれている結合脂質を比較検討した。澱粉,プロテインボディとも結合脂質量は,ジャポニカ米の方が多かった。澱粉では,両者ともリン脂質がもっとも多く,また,プロテインボディでは,同じく中性脂質が過半を占めていた。澱粉の主要な脂質クラスは,両者ともリゾ型脂質(遊離脂肪酸,リゾホスファチジルコリン,リゾホスファチジルエタノールアミン)であり,一方,プロテインボディでは両者とも遊離脂肪酸とトリアジルグリセロールが主なものであった。全脂質の構成脂肪酸は,ジャポニカ米でもインディカ米でも,また,澱粉でもプロテインボディでも,パルミチン酸,リノール酸およびオレイン酸の3つが主要なものであった。
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