GPS単独計測により,観測点座標の変動成分を計測する新しい方法(PVD法)を提案している.単独計測であるので,基準点を設置する必要がないため,どこでも計測可能な簡便低コストの計測セステムの構築を可能とする.搬送波位相を用いると,高精度の計測が可能であるが,本法では変動成分のみを対象とするので,波数アンビギュティを解く必要がなく,計算負荷も大きくない.したがって,準リアルタイムでの高周波数の計測を可能とするであろう.しかし,現時点では,単独測位であるため衛星に起因する誤差を除去できないので,座標変動の振幅が小さなときには,低周波数域での誤差除去が十分でない.洋上ブイによる波浪観測や地震の計測などに応用可能であると考えられ,大きな可能性を有している.
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