大気汚染学会誌
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22 巻, 2 号
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  • 重回帰分析による解析
    才木 義夫, 片桐 佳典, 須山 芳明, 中沢 誠, 樫村 広秋, 牧野 宏
    1987 年 22 巻 2 号 p. 97-102
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    自動車排気ガスとNOガスより [NMHC] 0/[NOx] 0比4~46の混合ガスを調整し, k1=0.41min-1の条件で光照射実験を行い,[O3] maxと [NMHC] 0,[NOx] 0との関係を重回帰分析により解析した。
    [O3] maxを目的変量,[NMHC] 01/2と [NOx] 01/2および [NMHC] 0と [NOx] 0を説明変量として, 全実験データ (n=23) および [NMHC] 0/[NOx] 0比で区分したデータについて求めた重回帰式はいずれも有意な相関を示し, 03maxがNMHCとNOxによって説明し得ることがわかった。標準化偏回帰係数の比較から,[03] maxは [NMHC] 0/[NOx] 0比4~15の高NOx領域ではNMHCに, またこの比が15~46の高NMHC領域ではNOxに依存することがわかった。一般環境大気を用いた実験では [NMHC] 0/[NOx] 0比が6を境に03maxに対する依存性が異なることが報告されているが, 自動車排気ガスの場合にはこれより高NMHC領域にシフトすることが認められた。
  • 開沼 泰隆, 岡本 真一, 橋本 克之, 塩沢 清茂
    1987 年 22 巻 2 号 p. 103-114
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    大気測定局は, 周辺の発生源状況, 気象, 地形などを考慮して配置されているが, その配置が適正であるか否かの評価基準が確立されていないために, 大気測定局配置を定量的に評価する方法の開発が課題となっている。本研究では, 多属性効用関数を適用して, 大気測定局配置を総合的, 定量的に評価することを試みた。
    まず第1に, 大気測定局配置を技術的, 経済的な面から総合的に評価するための構造モデルの検討を行った。
    次に, 大気汚染分野の研究者および行政官に対して面接調査を行い, 各々の人の価値構造を明らかにし, その価値構造を含む多属性効用関数を導出した。
    第3に, 導出した多属性効用関数をもとに, 大気測定局配置の定量的な評価を行った。
    上記の手順により, 研究者, 行政官の価値構造に相違があることが判明し, その価値構造を含んだ大気測定局配置の定量的評価が可能となった。
  • 横田 達也
    1987 年 22 巻 2 号 p. 115-126
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    環境大気常時監視データにおける時刻変動, 曜日変動, 季節変動等の周期的な変動構造に関する特徴を, データの適切なマトリヅクス型の配列表示により, 視覚的なパターンとして概括的に把握するための画像表示手法を提案した。
    ここではある値 (閾値) を用いてデータをいくつかの範囲に分割し, それらに明るさまたは適当な色を割り当てた。閾値としては, 環境基準等の特定の値またはデータの75%値と90%値を用いることを提案した。75%値と90%値を用いれば, データの変動の幅の大小によらず, 汚染質の高濃度の出現パターンに着目することができる。
    オキシダントと窒素酸化物を例にして, 1ヵ月間のデータの変動 (時刻変動, 曜日変動) の特徴把握のための手法を示し, 一酸化窒素と二酸化窒素を例にして, 二つの汚染質の1ヵ月間のデータの相互的な変動関係をカラー画像から把握するための手法を示した。また, 単一の汚染質の1年間のデータの変動 (季節変動, 曜日変動) と, 欠測の出現に関する特徴把握のための手法を提案し, それぞれの手法における有効性を例示した。
    また, 本手法による画像表示システムの構成法についての簡単な紹介を行った。
  • 簡易測定による稠密調査結果の統計解析
    新藤 純子, 松本 幸雄, 廣崎 昭太, 伊藤 政志, 青木 一幸, 朝来野 国彦
    1987 年 22 巻 2 号 p. 127-136
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    大気汚染濃度の時間的および空間的な変動の大きさと特徴, および空間分布構造の安定性を評価するために, 東京都郊外においてディフユージョンサンプラーを用いた簡易測定によりNO2の日平均濃度を約1kmおきに測定した。調査は, 昭和59年4月と12月に各7日ずつ実施した。日と地点を因子とする2元配置分散分析により次のことが明らかになった。(1) 日による分散が非常に大きく, 社会経済活動, 気象条件 (風速) の影響により, NO2濃度の顕著な日間変動, 特に季節による差が生じる。(2) 地点による分散は, 地点×日の交互作用による分散に比べて大きく, 空間的には調査期間を通して幹線道路近傍で高濃度であるという比較的安定した空間分布構造が存在する。(3) 交互作用による分散は, 別に推定した誤差分散に比べると大きく, 交互作用効果を主成分分析した結果, 濃度の日による空間分布構造の違いは各日の卓越する風向によって生じることがわかった。風向により交互作用平方和を分解すると, 群内の交互作用は誤差分散と同程度となる。
  • 平均化時間解析
    重光 和之, 瀬戸 信也
    1987 年 22 巻 2 号 p. 137-144
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    大気汚染質濃度分布を平均化時間を変化させながら調べ, 次の結果を得た。
    (1) 平均化時間が増大しても概ね1時間値における分布は保存される。
    (2) 分散係数δ2, 歪み係数δ3は, δ2-δ3判定図上で平均化時間の増大とともに概ね直線的に原点に移動する。
    この結果を用いて, 大気汚染質濃度分布がピアソン系分布で表現できるときのアローヘッドチャートモデルを自己相関係数の関数として提案し, 実測例によってこのモデルの適合性の良さを確認した。また, このアローヘッドチャートモデルを用いて, 日平均値データから1時間値の分布特性が把握できることを示した。
  • 松下 秀鶴, 後藤 純雄, 遠藤 治, 川守田 稔, 今宮 俊一郎, 村田 元秀
    1987 年 22 巻 2 号 p. 145-154
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2011/12/15
    ジャーナル フリー
    サルモネラ菌TA 1535/pSK 1002を用いるumu-testは菌体内のDNA傷害に基づくSOS反応により生じるβ-ガラクトシダーゼの活性を求め, その活性から使用した化学物質のDNA傷害性を求める方法である。この試験法は操作が簡単で, 短時間に結果が得られ, しかも経済的であるので, 大気中の発がん関連物質の検出やモニタリソグに有効な方法と考えられる。しかしながら, 従来の方法では, 大気浮遊粉じん抽出物のような着色試料の測定や, その検出感度にいくつか問題点が残されている。著者らは, 上記問題点を解決すべく次のような手法の改良を行った。1) 酵素反応を行わない混合溶液を調製して, これを対照溶液として用い, β-ガラクトシダーゼ活性の測定値の精度向上をはかった。2) 従来行われてきた一夜培養液の再培養操作を省略した。3) 低濃度の菌液を使用することにより, 常法に比べて高い検出感度が得られた。上記手法を用いて大気中の主要な発がん関連物質である多環芳香族炭化水素とニトロアレーンについてumu-testを行い, そのDNA傷害性強度とAmes法による変異原性強度とを比較した結果, 被験化合物の両強度間には良好な相関関係が認められた。
  • 開沼 泰隆, 岡本 真一, 塩沢 清茂
    1987 年 22 巻 2 号 p. 155-158
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    大気測定局配置の評価を行うためには, 種々の立場から評価項目を抽出し, これらの複雑な項目の相互関係や階層関係を明確にした上で評価項目を選択することが必要となる。
    本研究では, 先ず, 文献調査や専門家との討論を通して行政, 経済, 生態学的影響などに係わる評価項目の抽出を行った。次に, 抽出した項目に対してISM (lnterpretive Structural Modeling) 法を適用して, 大気測定局配置を評価する評価項目の階層構造を明確にした。得られた階層構造によって, 従来の研究で検討がなされてきた評価項目の相互関係, 階層関係が明らかになった。
  • 大気汚染研究協会植物影響調査研究分科会
    1987 年 22 巻 2 号 p. 159-198
    発行日: 1987/04/20
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    Reports of air pollution effects on vegetation, which were published in Japan and foreign countries in 1981-1985, were cited (222 by Japanese language and 588 by foreign language). They include original papers, proceedings of symposium, reviews and books. They were classified and arranged with respect to the constituents of air pollution; mixed air pollutants (175), sulfur oxides (194), halogen compounds (44), photochemical oxidants (194), heavy metals (58), nitrogen oxides (35), hydrocarbons (8), aerosols (20), acid rain (65), and others (19). Numerals in parentheses are numbers of the reports cited. Contents of the reports were briefly reviewed in each constituent.
  • 1987 年 22 巻 2 号 p. N17
    発行日: 1987年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
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