大気測定局は, 周辺の発生源状況, 気象, 地形などを考慮して配置されているが, その配置が適正であるか否かの評価基準が確立されていないために, 大気測定局配置を定量的に評価する方法の開発が課題となっている。本研究では, 多属性効用関数を適用して, 大気測定局配置を総合的, 定量的に評価することを試みた。
まず第1に, 大気測定局配置を技術的, 経済的な面から総合的に評価するための構造モデルの検討を行った。
次に, 大気汚染分野の研究者および行政官に対して面接調査を行い, 各々の人の価値構造を明らかにし, その価値構造を含む多属性効用関数を導出した。
第3に, 導出した多属性効用関数をもとに, 大気測定局配置の定量的な評価を行った。
上記の手順により, 研究者, 行政官の価値構造に相違があることが判明し, その価値構造を含んだ大気測定局配置の定量的評価が可能となった。
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