環境大気中のSO
2およびNO
2濃度の簡易同時測定法として, トリエタノールアミン円筒炉紙 (TEACF) を用い, イオソクロマトグラフィーで分析する方法を検討した。本方法の定量は迅速で, かつ, 1ヵ月程度の長期暴露の簡易測定法として有効であると認められた。
本方法の気象条件 (温度, 湿度, 風速) による影響は, SO
2濃度測定に関しては認められなかったが, NO
2濃度測定に関して温度による影響が認められ, 温度が10℃ 上昇することによりナイトレーション率 (NO
2 1 ppb当たりのTEA-CF 反応量 (μgNO
2/day/100cm
2/ppb NO
2)) が18%増加した。本方法と自動測定機による測定値を比較すれば, その相関係数rは, SO
2の場合, r=0.69 (n=200), NO
2 の場合, 温度補正を行えばr=0.79 (n=226) となり, 1%の有意水準で相関が認められた。また, 本方法によるSO
2およびNO
2濃度の測定値の信頼区間は, ppb換算した場合, その測定値の各々, ±28%および±22%であった。
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