ロシア極東地域の森林面積は2億7,500万haであり日本の国土面積の7倍以上に達する。この数字は非常に大きなものであるが森林資源は無限ではない。1970年代半ばに,日本はロシアから年間ほぼ900万m
3の木材を輸入していた。この数字は1990年代初頭にたった400万m
3にまで落ち込んだ。しかし1994年には再び50万m
3以上に上昇している。ロシア極東地域の森林は非常に浪費的に管理されている。木々は皆伐され良材のみが持ち出される。従来,ロシア極東地域における木材輸出は総森林生産量の20〜25%の間で取引されていたがその比率は上昇している。日本と中国はロシア極東地域における総木材輸出の70%を輸入する。過去18年間にロシアから酒田港へ輸入された木材の種類は非常に大きく変化した。ベニマツは1970年代後半より急速に減少し,1990年代初頭にほとんどみられなくなった。パルプ材は1980年代半ばから,アカマツは1990年代初頭から急速に増加した。こうした変化はロシア極東地域における森林資源開発の動向を反映している。森林の乱伐はロシアの先住民族の生存権を脅かしている。世界最大の木材輸入国である日本はロシアの森林の維持的生産に対して責任を有している。
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